この記事の執筆者
フォーゲル綜合法律事務所
共同代表弁護士
嵩原 安三郎
たけはら やすさぶろう
退職・労働問題を中心に、企業と個人の双方における法的問題解決に従事。
退職代行分野において日本有数の実績を持つ。
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弁護士の嵩原安三郎です。弁護士として25年、退職代行では2万人超の相談に向き合ってきました。
辞めたいと相談に来る方から、よくこの言葉を聞きます。
「急に辞めるなら、損害賠償を請求するからな。」
上司や社長にこう言われて、動けなくなっている方は少なくありません。怖いと思います。お金の話を持ち出されると、それだけで頭が真っ白になります。
反対に、業者のサイトを読んで、安心しきっている方もいます。
「退職代行を使えば、損害賠償なんてされないんですよね?」
どちらも、半分だけ正しいです。会社が請求してくることは、実際にあります。けれど、辞めたことだけを理由に、それが裁判で認められることはまずありません。
分かれ目は、辞めたかどうかではありません。どう辞めたかです。ここでは、認められた裁判例と認められなかった裁判例、請求されない辞め方、請求されたときの対処法を書きます。
退職代行で損害賠償を請求されることはある。けれど、認められることは少ない
「損害賠償の請求なんて、ありません。」
こう言い切る退職代行業者があります。正直、私はそれを聞くたびに怖くなります。請求は、実際にあるからです。
信号無視を繰り返している人が「事故なんか一回もない」と言ったら、どう思うでしょうか。安全な運転だとは思わないはずです。今まで運がよかっただけです。
当事務所で5,000件以上の退職代行を扱った時点で数えると、損害賠償の裁判になったのは10件ほどでした。多くはありません。ただ、ゼロでもありません。たいていは、社長がかっとなって起こしたものです。当事務所のYouTubeでも、こう話しました。
【退職代行 弁護士】退職代行で会社から損害賠償を請求されることってあるんですか?: 弁護士タケハラ退職代行ちゃんねる
もっとも、裁判を起こされることと、賠償が認められることは別の話です。辞めたこと自体を損害とする請求は、なかなか認められません。理由ははっきりしています。
期間の定めのない雇用なら、辞めると伝えてから2週間で雇用は終わります(民法627条1項)。法律が、辞めてよいと書いているのです。辞めたことで賠償を負わせたら、誰も辞められなくなります。
会社によっては、契約書にこんな一文を入れています。
「退職する場合は、違約金として給与の3か月分を支払う。」
けれど、辞めたら罰金を払う、あらかじめ賠償額を決めておく、という約束は禁止されています(労働基準法16条)。サインしていても、その部分は無効です。
損害賠償が認められるのは「辞めたこと」ではなく「辞め方」
では、どんな場合に認められるのか。裁判例で問われているのは、ほとんどが辞め方です。三つの形に分けて書きます。
1.連絡を絶ち、引き継ぎもせずに姿を消した
よく知られているのが、知的財産高等裁判所の2017年9月13日の判決です。パチスロのソフトを作る会社で、入社7年目のプログラマーが姿を消しました。社長から仕事のやり方を注意されたあとのことです。
この人は、会社が管理していた自分の連絡先を消しました。引き継ぎは何もしていません。その後も、会社に連絡を取りませんでした。
平成29(ネ)10020等 競業行為差止等請求控訴事件(知的財産高等裁判所 平成29年9月13日判決): 裁判所
裁判所は、辞めるときには予告期間を置き、仕事に支障が出ないよう引き継ぐ義務がある、と判断しました。そして外注費などとして、480万円の賠償を命じています。会社は最初、5,000万円を超える額を求めていました。認められたのは、その一部です。
一人に負担が偏り、会社の備えが足りなかったことも、減額の理由になりました。それでも、辞めた人が払うには重い額です。この人が責められたのは、辞めたことではありません。何も残さずに消えたことです。
2.契約期間の途中で、理由なく仕事を投げ出した
契約社員や登録型の派遣のように、契約期間が決まっている場合は話が変わります。期間の途中で辞めるには、やむを得ない事情が要ります(民法628条)。言ってから2週間で辞められる、とは限りません。
事情がないまま仕事を投げ出し、連絡も絶つと、賠償を求められることがあります。もちろん、体調を崩したなどの事情があれば別です。医師の診断書があれば、期間の途中でも辞められます。どちらに当たるかは、事情を聞いてみないと決められません。
3.在職中に会社の物を壊した、なくした
鍵をなくした。制服を返していない。備品を壊した。こうした場合は、退職とは別の話として、弁償を求められることがあります。当事務所でも、裁判の最後に、なくした制服の代金を数千円払って終わった例がありました。
ただ、仕事中のミスで損害が出ても、全額を負うとは限りません。会社は、人を使って利益を上げています。その危険も、ある程度は会社が引き受けるべきだと考えられているからです。
- 連絡を絶ち、引き継ぎに必要な情報も残さずに姿を消す
- 契約期間の途中で、やむを得ない事情もなく仕事を投げ出す
- 会社の物を壊した、なくした、返さない

嵩原 安三郎
最高裁判所 昭和51年7月8日 第一小法廷判決(茨石事件): 裁判所
働く人のミスでさえ、全額にはなりません。辞めたことそのものが損害になる場面は、さらに限られます。
「損害賠償だ」と言われても、多くは言葉だけで終わる
退職代行で会社に連絡すると、少し時間をおいて、社長がかけ直してくることがあります。
「急に来なくなって、こっちは大損害だ!」
本当のやり取りは、この二本目の電話からです。私は、何が損害なのかを一つずつ聞きます。
「取引先の連絡は、誰がするんだよ!」
「うちは人数が少ないんだ。そんな人は余ってないんだよ!」
そう言われたら、こう返します。社員が急に病気になることも、事故に遭うこともありますよね。そのときは、別の社員が担当するのではありませんか。
私が昔担当した事件に、こんなものがあります。交通事故で社員が働けなくなった会社が、相手の運転手にその分の売上を請求しました。裁判所は、そうした事態に備えるのは会社の責任だとして、認めませんでした。病気や事故、有給休暇で人が抜けることはある。それに備えておけ、というわけです。
【退職代行 弁護士】実話!退職代行事件簿② 損害賠償を繰り返して怒鳴りまくる社長: 弁護士タケハラ退職代行ちゃんねる
その社長は、最後にこう言って電話を切りました。
「損害賠償も本気じゃねえよ。よろしく言っといてくれ。」
その後、請求が来ることはありませんでした。言葉で脅すことと、本当に請求することの間には、大きな距離があります。
自分が辞めたら、残った人に迷惑がかかる。そう悩む方もいます。
「私が辞めたら、会社が回らなくなっちゃうんですけど、大丈夫ですか?」
こういう相談を受けると、正直つらくなります。真面目な人ほど、自分を責めるからです。けれど、一人抜けたら回らない人数で会社を回すと決めたのは、経営者です。働く人には有給休暇もあれば、病気で休む日もあります。それに備えるのは、会社の仕事です。
会社が裁判まで起こした例と、その結末
言葉だけで終わらず、本当に裁判を起こしてくる会社もあります。私が担当した事件と、よく知られた裁判例を一つずつ紹介します。
1,500万円を請求された店長の裁判
店長を任されていた方が、体調を崩していました。医師からは、すぐに辞めるよう言われていました。それでもその方は、残る人が困らないよう、3か月後に辞めると内容証明郵便で伝えました。診断書も別に送っています。
会社は弁護士を立てて、通知を送ってきました。
「診断書があっても、仮病です。契約期間の途中なので、辞められません。」
その方が当事務所に来たのは、ここからです。こちらから反論し、予定どおりの日に退職しました。引き継ぎの資料もマニュアルも、きちんと残してです。
退職した直後に、本人から電話がありました。
「先生、訴状が来ました!」
請求額は1,500万円でした。正直、驚きました。怖さではありません。よくこんな理屈を積み上げたものだ、という驚きです。新しい店の計画が止まった、元の店を閉めた。そうした理由を重ねた額でした。
裁判は2年ほど続き、最後に社長の尋問になりました。私は、仮病だと言う根拠を聞きました。医師の資格はありますか。医師に相談しましたか。その病気がどんなものか、ご存じですか。
「俺は医者じゃないんだから、そんなこと分かるわけないやんか。」
社長は、どれにも答えられませんでした。判決は、会社の請求をすべて棄却しました。1円も払わずに済み、会社は控訴もしませんでした。
【退職代行 弁護士】退職代行トラブルの実話!裁判になった衝撃のケースとは?: 弁護士タケハラ退職代行ちゃんねる
1,270万円を請求した会社が、逆に110万円を払った裁判
横浜地方裁判所の2017年3月30日の判決も紹介します。体調を崩して辞めた社員に、会社が1,270万円の賠償を求めた事件です。病気はうそだ、引き継ぎをしなかった、という主張でした。
裁判所は、会社の請求を全部退けました。そのうえで、社員の側からの反訴を一部認めています。年収の5倍を超える額を根拠もなく請求するのは、裁判制度の趣旨に照らして著しく相当性を欠く、と言ったのです。会社は、逆に110万円を払うことになりました。
【時事ネタ】退職した従業員に1270万円の損害賠償請求をした社長が裁判所に返り討ちにあった話を解説します: 弁護士タケハラ退職代行ちゃんねる
ただ、勝てば何の負担もない、というわけではありません。裁判を起こされたら、勝っても負けても、自分の弁護士費用は原則として自分持ちです。会社にとっては、それも相手を困らせる手段になります。この費用の話は、別の記事で書きました。
退職代行の料金相場|弁護士・労働組合・民間業者の違いと追加費用の注意点: 退職代行コラム

嵩原 安三郎
プロシード元従業員事件(横浜地裁 平成29年3月30日判決): 労働基準判例検索(全国労働基準関係団体連合会)
請求されても反撃できる、と期待しすぎないでください。大事なのは、そもそも請求の口実を与えない辞め方です。
損害賠償を請求されないための辞め方
ここまでの裁判例で会社に責められたのは、どれも同じ点でした。連絡が取れない。何も残していない。裏返せば、そこを押さえておけば、請求の口実はほとんど残りません。
連絡が取れる状態を残す
退職代行を使って出社しなくなっても、会社と連絡が取れる状態は残してください。辞めると伝えたあとも、会社が本人に直接連絡してくることがあります。
「引き継ぎのことで聞きたい。本人と直接話をさせてくれ。」
ここで気をつけてほしいのは、民間業者は代理人ではないということです。会社に辞める意思を伝える「使者」にすぎません。業者が窓口だからと本人が無視すると、連絡が取れない状態と見られるおそれがあります。
弁護士なら、代理人として「私に連絡してください」と会社に言えます。あなたが直接やり取りしなくても、連絡が取れる状態は保たれます。
引き継ぎは「行く」ではなく「伝える」
引き継ぎのために、もう一度会社に行く義務まではありません。求められるのは、仕事に必要な情報を伝えることです。取引先とのアポイント、受けている注文、資料の置き場所、手続きの進み具合。
一から十まで説明しなくても構いません。会社に損害が出そうな情報だけは、メモで渡すか、共有のフォルダに残してください。そのうえで、会社から質問が来たら答えられるようにしておきます。
【退職代行 弁護士】退職代行する場合でも引継ぎはしないといけないの??: 弁護士タケハラ退職代行ちゃんねる
会社に伝える言葉も、少し変えるだけで受け取られ方が変わります。
❌「明日から行きません。あとのことは知りません。」
✅「明日から出社しません。担当の取引先と進行中の案件は、共有フォルダのメモにまとめました。質問は代理人を通してください。」
変えたのは、会社が困る点に先回りして答えたことです。これで、会社が「何も残さずに消えた」と言う余地はなくなります。
契約期間がある人は、辞める理由を先に整える
契約期間が決まっているなら、辞める前に、やむを得ない事情を示せるかを確かめてください。体調を崩しているなら、医師の診断書を取っておく。それが一番の備えになります。
- 会社と連絡が取れる状態を残す(代理人を立てるか、自分で応じるか)
- 取引先・注文・資料の場所など、仕事に必要な情報をメモで残す
- 鍵・制服・社用車など、借りている物の返し方を決める
- 契約期間がある場合は、やむを得ない事情を示す資料をそろえる
損害賠償を請求されたときの対処法
それでも、内容証明郵便が届いたり、電話で請求を突きつけられたりすることはあります。そのとき一番してほしくないのは、一人で慌てて動くことです。
1.自分で謝ったり、払う約束をしたりしない
怖くなって、その場で謝ってしまう方がいます。
「すみません、払います。」
会社に言われるまま、払うと約束する書面にサインしてしまう方もいます。約束をしてしまうと、あとから争うのは難しくなります。
入社間もない社員が、200万円を払う約束をしていた事件があります。裁判所が認めたのは、約70万円でした。約束があっても、減ることはあります。ただ、何も約束していない方が、ずっと話を進めやすいのです。
2.何を言われたか、書き残す
会社に何か言われたら、その日のうちに書き残してください。日時、相手、言われた言葉をできるだけそのまま。LINEやメールは、消さずに残します。腹が立って消してしまう方が多いのですが、消した瞬間に自分を守る材料がなくなります。
私は以前、noteにこう書きました。
「あなたは正しい。でも、だから負ける」弁護士が2万人の退職を見て気づいた、正論の残酷な使い方: note
「最後にあなたを守るのは、たいてい記録です。」
損害賠償の話も同じです。会社が何を損害だと言っているのか、書面で出してもらう。こちらの言い分は、書き残したものをもとに組み立てる。言った言わないの争いにしないことが、身を守ります。
3.訴状が届いたら、放っておかない
裁判所から訴状が届いたら、放っておかないでください。反論しないまま期日に出なければ、会社の言い分を認めたものと扱われることがあります(民事訴訟法159条3項)。封筒は捨てずに、すぐ弁護士に見せてください。
損害賠償の話が出た途端に、手を引く業者もあります。
「損害賠償の話になったので、私たちでは手に負えません。」
民間業者や労働組合は、あなたの代理人として裁判に出られません。裁判の代理人になれるのは、原則として弁護士だけです(民事訴訟法54条1項)。請求されたら、こちらにも言えることがないかを確かめておくのも一つです。未払いの残業代が残っていることは、珍しくありません。

嵩原 安三郎
フォーゲルの退職代行と、損害賠償への対応
先に、向かないケースを申し上げておきます。会社がすんなり退職を受け入れてくれそうで、自分で伝えられるなら、退職代行は要りません。また、フォーゲルでは労災の請求と、有給休暇の買い取りの交渉は扱っていません。
そのうえで、フォーゲルの退職代行についてお伝えします。弁護士が代理人として会社に連絡するので、会社から質問や請求が来ても、あなたが直接やり取りしなくて済みます。辞める前に、どんな辞め方なら請求の口実を与えないかも、一緒に確かめます。
- ライトプラン 22,000円
退職の意思を伝えます。引継ぎなどの連絡は、ひな形を使ってご自身で行います。 - 円満退職スタンダード 25,000円
弁護士が代理人として交渉します。有給休暇の取得や残業代の請求も追加費用なしです。 - 円満退職あんしんプラス 55,000円
退職を理由に損害賠償の裁判を起こされても、追加料金なしで弁護士が対応します(交通費などの実費は別途)。退職金の請求なども含みます。 - 業務委託解消スタンダード 55,000円
業務委託契約をすぐに解消するための交渉を代行します。 - 業務委託解消あんしんプラス 110,000円
業務委託契約の解消に加え、損害賠償(訴訟対応を含む)や借入金の交渉まで追加費用なしです。出張・裁判の手続きは別途ご相談ください。報酬請求への対応は含まれません。 - 傷病手当サポート 33,000円
在職中の方向けです。傷病手当金の受給条件に当てはまる場合、弁護士が職場に働きかけて受給をサポートします。退職後のご依頼は対象外です。 - 役員退任代行 個別見積もり
登記されている取締役の退任(辞任)を代行します。費用は状況によって変わるため、LINEでお問い合わせください(役員の退任代行について)。
どのプランが合うか分からない方は、10秒で答えられるプランチェッカーで確かめてください。
出張を伴うご依頼と、在職中に会社へ損害を与えたことを理由とする裁判などは、別途ご相談になります。ただし、円満退職あんしんプラスなら、退職を理由とした損害賠償の裁判には追加料金なしで弁護士が対応します(交通費などの実費は別途)。
なくした制服の代金で和解した、先ほどの裁判の方も、このプランに入っていました。会社の請求は100万円近く、期日は7回ほど開かれました。正直、しんどい裁判でした。それでも、その方に追加の弁護士費用はかかっていません。
【退職代行 弁護士】実録!会社が損害賠償請求してきた!!: 弁護士タケハラ退職代行ちゃんねる

嵩原 安三郎
よくある質問
退職代行を使っただけで、損害賠償を請求されますか?
退職代行を使ったことだけを理由に、損害賠償が認められることは、まずありません。辞めることは法律で認められた権利だからです。請求が認められた裁判例は、連絡を絶って引き継ぎもせずに姿を消した、といった辞め方が問題になったものです。
即日退職すると、損害賠償を請求されますか?
有給休暇を使う、会社と退職日を合意する、体調不良などやむを得ない事情がある。こうした形なら、その日から出社しなくても、損害賠償が認められることはまずありません。気をつけたいのは、連絡が取れない状態になることと、引き継ぎに必要な情報を残さないことです。
アルバイトやパートでも、損害賠償を請求されることはありますか?
雇用形態で、損害賠償の考え方は変わりません。期間の定めのないアルバイトなら、辞めると伝えてから2週間で雇用は終わります。契約期間が決まっている場合は、途中で辞めるのに、体調不良などやむを得ない事情が要ります。シフトに穴が空いたというだけで、賠償が認められることはまずありません。
「辞めるなら違約金を払う」と契約書に書いてあります。払う必要はありますか?
辞めたら違約金を払う、あらかじめ賠償額を決めておく、という約束は労働基準法16条で禁止されています。契約書にサインしていても、その部分は無効です。ただし、実際に会社の物を壊した場合などに、その損害を払う責任まで消えるわけではありません。
会社から訴えられたら、弁護士費用はいくらかかりますか?
依頼先とプランで違います。フォーゲルの円満退職あんしんプラスなら、退職を理由に損害賠償の裁判を起こされても、追加料金なしで弁護士が対応します(交通費などの実費は別途)。民間業者や労働組合は裁判の代理人になれないので、別に弁護士を頼む費用がかかります。
まとめ|損害賠償が問われるのは、辞めたことではなく辞め方
退職したことだけを理由に、損害賠償が認められることはまずありません。認められたのは、連絡を絶ち、引き継ぎもせずに姿を消した、といった辞め方でした。
- 辞めることは法律で認められた権利で、辞めたこと自体は損害賠償の理由にならない
- 賠償が認められたのは、連絡を絶ち、引き継ぎもせずに消えた辞め方
- 連絡が取れる状態と、仕事に必要な情報を残せば、請求の口実はほとんど残らない
- 請求されたら、謝ったり払う約束をしたりせず、言われたことを書き残して弁護士に相談する
「損害賠償」という言葉は、言われた側の頭を真っ白にします。私は、その一言で辞めるのをあきらめ、体を壊すまで働き続ける人を見るのが一番悔しいです。
言葉に縛られる必要はありません。辞め方を押さえておけば、その言葉が本当の請求になることは、ほとんどありません。

嵩原 安三郎
参考にした法令・資料
- 民法(415条・627条・628条・709条): e-Gov法令検索
- 労働基準法(16条): e-Gov法令検索
- 民事訴訟法(54条・159条): e-Gov法令検索
- 弁護士法(72条): e-Gov法令検索
- 知的財産高等裁判所 平成29年9月13日判決: 裁判所
- 最高裁判所 昭和51年7月8日 第一小法廷判決(茨石事件): 裁判所
- プロシード元従業員事件(横浜地裁 平成29年3月30日判決): 労働基準判例検索
- 辞職|裁判例: 確かめよう労働条件(厚生労働省)
この記事の執筆者
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退職・労働問題を中心に、企業と個人の双方における法的問題解決に従事。
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嵩原 安三郎