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取締役の退任代行の
ポイントは以下の4つです
登記されているか
損害賠償を回避できるか
取締役の定員割れが生じないか
登記の変更ができるか
まず前提は
「登記されていること」
取締役の退職を考える際、
まず重要なのは「登記されているか」です。
登記されていなければ
会社で「役員」と呼ばれていても、
それは正式な取締役ではありません。
正式な取締役でなければ、
法的には単なる従業員です。
その場合、通常の退職代行で問題ありません。
しかし
「退任代行」が必要です。
取締役はどうやって会社を辞める?
取締役が会社を辞めることを「退任」といいます。
■退任のなかでも、
「任期満了による退任」は大きな問題はありません。
しかし、退任代行の場合のほとんどは、任期途中で辞める場合です(「辞任」ともいいます)。
これは取締役と会社の関係が法律上は「委任契約」だからです。
委任契約は信頼関係が重要なので、
いつでも終了できるのです(民法651条1項)。
しかし
取締役の辞任には2つの大きな問題があります
-
問題1
辞任がやむを得ないような事情も特になく、
かつ、辞任のタイミングが会社に
とって不利な時期だった場合、
会社に損害賠償しなければならない。 -
問題2
取締役の定員割れが生じる場合、
辞任後も取締役としての義務が残る。
取締役の辞任の場合には、
これをどのようにクリアできるかが重要なのです。
損害賠償責任が
回避できるか
委任関係では委任を受けた人は
大きな権限を与えられます。
取締役もそうです。
取締役は会社の方針を決める大きな権限を持っています。
何かの部門の責任者である場合も少なくありません。
そのため、取締役が特に理由もなく、かつ、
会社がその取締役の担当業務の後任者を全く用意できないようなタイミングで突然辞任してしまうと、
会社に大きな損害が生じる可能性があります。
実際に損害が生じた場合、取締役は会社に生じた損害を賠償する責任を負います(民法651条2項)。
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退任理由が正当であるか
(体調不良、ハラスメント、過重労働など) -
依頼者の担当業務が
他の人間でも代替可能か(職務代替性)
これらを確認した上で、会社が「損害が発生した」と
主張してきた場合の対策を練ることになります。
取締役の定員割れは
発生しないか
損害賠償義務が回避できても次に、
「取締役の定員割れ問題」を
クリアしなければなりません
「取締役が辞任すると会社の定めた取締役の定員が不足してしまう」ようなケースがあります。
たとえば、会社の定款で「取締役は3名以上」と規定しているのに現在の取締役が3名しかいない場合、1人退任(辞任)すると取締役が2名となってしまい、「定員割れ」してしまいます。
定員割れは法的に許されないことから、取締役の後任が補充され、定員割れ解消ができるまで、辞任後も取締役の義務が残ってしまいます(会社法346条1項)。
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定款上、取締役は何人とされているか
(取締役の定員) -
現在、依頼者を含めて取締役は何人いるか
(定員割れの発生の有無) -
定員割れしてしまう場合、後任として
見込める人はいるか(後任補充の可能性)
ゴールは「変更登記」
最後は登記の問題です。
正式な取締役の場合、
必ず取締役として登記されています。
ですので、退任した場合には
「退任登記」が必要になります。
登記が残っていると第三者から責任追及を受けるリスクがあります。
そのため、会社に早期に登記を抹消してもらうことが重要です。
会社がどうしても退任登記をしない場合、退任登記を求める裁判を起こすこともできますが、ほとんどの場合は交渉で解決しています。
まとめ
いかがだったでしょうか。
役員の退職は退職代行以上に検討項目が多く、対策も個
別に考える必要があります。
ただ、退任(辞任)自体は十分可能です。
![まとめ](./images/officers_summary.png)
あなたの可能性を広げる決断をするのは
あなた自身です。
そのお手伝いを私たちができるのであれば嬉しいです。