退職代行を利用してスムーズかつスピーディに退職するためにも、利用前とその後にしっかりと準備をしておくことが大切です。今回は、退職代行の利用とその後の準備について解説していきます。
退職代行を利用する前にしておくべき事前準備
引き止めやパワハラなど、さまざまな理由で会社を退職できない場合、「退職代行サービス」の利用を検討する方は増えています。
退職代行を利用する前は、事前準備をしておくことでスムーズに退職することができます。
就業規則を確認する
就業規則には、労働者が退職する際の手続き方法や会社で決められたルールが記載されています。
就業規則で「退職1ヶ月前申告が必要」等の記載があった場合でも、法律上では会社に退職の意志を伝えれば、2週間経過することで退職が可能です。
退職代行に依頼する前に、事前に就業規則を確認しましょう。
場合によっては即日退職も可能です。
有給休暇の残日数
自身の有給休暇の残り日数を確認しましょう。
一般的には、給与明細に残りの「有給休暇残日数」として使える有給の日数が記載されています。
退職時の有給休暇消化は、労働者に法律上認められた権利です。
退職代行に依頼する前に有給日数を把握しておくことで、「有給休暇を全て消化できなかった」という事態を防ぐことができます。
退職届等の書類作成
民間の退職代行サービスの場合、退職届などの書類の作成は行うことはできないため、会社に提出する書類は自身で用意する必要があります。
書類不備があると再度手続きが必要になり、二度手間になってしまう可能性もあるため、提出書類は前もって準備しておきましょう。
弁護士に依頼する場合は、ご自身での退職届の準備は必要ありません。
会社への返却物の確認
健康保険証、社員証、ネームプレート、制服、会社支給の携帯、パソコンなど貸与品や備品は会社に返却する必要があります。
退職日までに会社へ返却しましょう。
会社への返却物も退職代行サービスへの依頼後に会社へ郵送することも可能です。
会社にある私物に関しても、大切な私物がある場合は事前に持ち帰ると安心です。
退職代行サービス依頼時に必要なもの
退職代行サービスと相談・料金の支払いが完了したら、希望退職日や自分の情報などをヒアリングシートを記入していきます。
退職代行サービスの運営元は大きく分けて「民間企業」「労働組合」「弁護士」3つがあり、運営元によって対応できる業務の範囲やサービス内容は異なりますが、退職代行依頼時に伝えることや必要なものは基本的に同じです。
スムーズでストレスフリーな退職を進めるためにも、退職代行サービスを依頼するときに必要なものについてチェックしておきましょう。
個人情報(氏名・生年月日・住所・電話番号など)
退職代行サービスを利用する際は、「氏名」「生年月日」「住所」「電話番号」「雇用形態」「勤務年数」など利用者の個人情報が必要となります。
手続きを円滑に進めるためにも、自分の個人情報は正確に伝えることが大切です。
退職代行サービスは「個人情報保護法」や「契約法」などの法律により利用者のプライバシーの保護を徹底しているため、安心して利用することができます。
会社名・会社の連絡先
会社名・会社の連絡先は退職代行サービスを依頼する際に必ず必要なものです。
「会社の電話番号」をはじめ、「所在地」「所属部署の情報」「退職の意思を伝えたい担当者名がいる場所」の電話番号も必要になります。
派遣社員や正社員で出向している場合は、出向先ではなく、雇用元の会社の情報を退職代行サービスに伝えましょう。
退職代行サービスが連絡をする日にちょうど相手が席を外していたり、欠席しているケースもあるため、退職を伝える相手は複数人候補をあげてておくと安心です。
退職理由・退職希望日
退職代行サービスを依頼する際は、退職理由・退職希望日を依頼先に伝える必要があります。
退職代行サービスを利用するということは「退職の意思を伝えられない職場環境にある」かと思いますので、会社を辞めたい理由を的確に伝えましょう。
「有給休暇を消化したい」「いつまでには退職したい」など退職に関する希望があれば、事前に伝えることが大切です。
利用者の退職理由がやむを得ない事由に該当する場合は、民法で定められた2週間が経過しなくても即日退職が可能です。
やむを得ない事由とは、「体調不調や精神障害」「パワハラやセクハラなどのハラスメント、いじめや嫌がらせを受けている」「家族の看病・介護」「会社に違法行為がある」などが該当します。
退職代行サービス利用後の準備
退職代行サービスを利用した後は、どんな準備が必要になるのでしょうか?
スムーズに退職して転職活動を進めるためにも、できることはしておきましょう。
引き継ぎの準備をしておくと安心
場合によっては、退職代行サービスの利用後、会社から連絡が来ることがあります。
これは引き継ぎがうまくいかず、自分しか分からない情報があるケースがほとんどです。
状況によっても異なりますが、在職中から自分が担当している業務内容を細かくデータや資料として用意しておくと、引き継ぎに関するトラブルを未然に防ぐことができます。
転職先が納得できる退職理由を考えておく
退職代行サービスを利用した後の準備として大切なのは、転職活動の面接で必ず聞かれる「退職理由」を考えておくことです。
一般的に、転職活動時の面接では「退職代行を利用したかどうか」という質問はほとんどされません。
できる限り面接官に前向きな姿勢が伝えられるように、退職時も意識しながら事前に準備しておきましょう。
弁護士なら各種手続きも全て任せられる
弁護士による退職代行サービスであれば、健康保険、年金、雇用保険など退職に関する全ての代行が可能なため、退職に伴って必要になる各種手続きも全て弁護士に安心して任せることができます。
心理的負担もかからず、退職する際に会社とトラブルが起きる心配もありませんので、弁護士に退職代行を依頼するのが安全かつ確実です。
退職代行サービスは労働問題に強い「弁護士」への依頼がおすすめ
退職代行サービスは、労働問題に強い弁護士へ依頼することががおすすめです。
弁護士の場合、退職の意思を会社に伝えるだけでなく、未払いの残業代請求・有給休暇の取得など退職に伴う交渉が可能で、利用前とその後の準備も任せることができるため、安心して会社を退職することができます。
また、弁護士による退職代行サービスであれば、退職後も法的にサポートしてもらうことができます。
法的トラブルの心配もありませんので、はじめて退職代行サービスを利用する方も安心です。