退職代行と労働基準法のポイント

退職代行と労働基準法のポイント コラム

労働基準法は労働者の味方になる法律

労働基準法」は、働く人にとって最も身近で大切な法律です。
労働者として働く場合、労働基準法の主な内容を知っておくことはとても大切です。

ここでは、労働基準法のポイントについて解説していきたいと思います

「労働基準法」とは?

「労働基準法」とは、労働条件に関する最低基準を定めた法律のことをいいます。

労働者が持つ生存権の保障を目的として、労働契約や賃金、労働時間、休憩、年次有給休暇、災害補償、就業規則など労働契約関係について規定する最も基本的な法律で、会社と比べて弱い立場にあることが多い労働者の権利を守るためにあります。

「労働基準法」は、正社員、契約社員、アルバイト、パートタイマーなど雇用形態にかかわらず、全ての労働者に適用されます。
労働基準法に違反した企業には厳しい罰則を与えることで、労働者の権利を保護しています

労働基準法のポイント

ここからは、労働基準法の中でも「これだけは知っておきたい」ポイントを解説します。
労働基準法を守ることは労務トラブルの防止につながるため、労働者側も内容を理解しておくことが大切です。

1「労働条件の明示(労働基準法16条)」

会社は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければなりません

雇用主に対し、所定の労働条件を明示することを義務付けています。
2019年4月施行の法改正により、従来の書面交付に加えて、所定の要件を満たせば電子メール等による労働条件の明示も認められるようになりました。

2「賠償予定の禁止(労働基準法16条)」

会社は、労働契約の不履行による違約金や損害に対する賠償金の規定を労使間で定めてはならず、労働者に対して「違約金」や「賠償金」の支払いを予め約束させることはできません

3「賃金支払いの5原則(労働基準法24条)」

労働基準法では、賃金が労働者に対して確実に支払われるように「賃金支払いの5原則」が定められています。
給与計算は、以下の原則を前提に行われ、労働者の生活の基盤である賃金を保護しています。
1.現物給与の禁止(通貨払いの原則)
2.直接払いの原則
3.全額払いの原則
4.毎月1回以上の原則
5.一定期日払いの原則

4「最低賃金(労働基準法28条)」

「最低賃金」は、会社が労働者に最低限支払わなくてはいけない時給のことです
雇用主は、労働者に対して最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません。

最低賃金の金額は時間給として定められています。原則として最低賃金は、正社員だけでなくアルバイトなど全ての従業員に適用されます。

5「労労働時間・休憩・休日(労働基準法32条・34条・35条)」

会社は、原則として「1日8時間、週40時間を超えて」従業員を働かせてはいけません
労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は60分以上の休憩時間を与えなければいけません。

また、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません。

6「解雇の予告(労働基準法20条)」

会社は就業規則に解雇事由を記載しておかなければなりません。
そして、合理的な理由があっても、解雇を行う際には少なくとも30日前に解雇の予告をする必要があります
予告を行わない場合には、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければなりません。

7「時間外および休日労働(労働基準法36・37条)」

時間外労働」とは、1日8時間、1週間に40時間を超えて時間外や休日(法定外休日)に労働をさせることです。
休日労働」とは、1週間に1日もしくは4週間で4日の休日(法定休日)を確保できない状態で労働をさせることです。

会社が労働者に時間外労働を行わせるためには、予め労働者の過半数で組織する労働組合か労働者の過半数を代表する者との間に「36協定」と呼ばれる労使協定を締結し、労働基準監督署長に届け出ておく必要があります。
この36協定においては、時間外・休日労働を行わせる職種や人数、1日や1か月における延長することができる時間の限度を定める必要があります

8「就業規則(労働基準法89条)」

就業規則は、働く上で守るべきルールを定めたものです
常時10人以上の労働者を使用する会社は就業規則を作成し、労働基準監督署長に届け出なければなりません。

9「時間計算(労働基準法38条)」

会社は、従業員に時間外労働や休日出勤をさせる場合、割増賃金を支払う必要があります
割増賃金は「時間外」「休日」「深夜」の3種類で、割増率は以下の通りです。
「時間外」(時間外手当・残業手当)…25%以上
「休日」(休日手当)…35%以上
「深夜」(深夜手当)…25%

10「年次有給休暇(労働基準法39条)」

会社は、雇い入れ日から6ヶ月継続して勤務し、全労働日の出勤率が8割以上である場合、10日以上の年次有給休暇を与えなければいけません
年次有給休暇は、条件を満たしたアルバイトやパート従業員にも付与され、付与日数に関しては所定労働日数に応じた比例付与をおこないます。

まとめ

今回は、労働基準法のポイントについて解説しました。
「労働基準法」について知識をつけておくことで、労働者が持っている権利や課されている義務も分かり、自身の権利を守ることにつながります

退職代行やパワハラ、残業代の請求など労働問題でお困りの場合は、法律の専門家である弁護士に相談しましょう
労働基準法等に基づいて、さまざまな労働問題を適切に解決します。

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