本当のところどうなのという皆様の疑問にお答えしていくブログです。
できればブログ内の動画の方をご覧ください。
会社に退職代行を知らせる電話をすると、ほとんどの会社は大きな反論をせず声を荒げることは少ない。
「仕方ない」と諦める場合もあるから。
しかし、そんな会社だけではない。
はじめの電話は突然のことで驚いて、とっさに反論できなかっただけであることも少なくない。
少し時間をあけて落ち着いた後、怒鳴りながら電話をしてくる経営者もいる。
本当の戦いは「二本目の電話」からだ。
これは実際にあったある退職代行のケースの再現である。
嵩原先生
1番に◯◯株式会社から鈴木さん(仮)のことでお電話です
お電話変わりました
弁護士の嵩原です
先程の送った通知書は届きました?
急に来なくなってこっちは大損害だ!
えっと…すみません
どんな損害が発生したんですか?
取引先の連絡誰がするんだよ!
いや…
それは通常でも従業員休むってことはあるでしょ?
急にね病気になるとか事故に遭うってこともあるだろうし
そういう時なんか別の社員さんが担当するんでしょ?
そうじゃないんですか?
うちは人数少ないんだ
そんな人は余ってないんだよ!
いや…
そちらが人数をたくさん入れるのか、少数精鋭でやるのかとかそういうものについて僕何も口出ししませんよ?
少ない従業員で経営するっていうそういうこともあると思うんですよ
でもだからといって有給休暇取らせないんだとか
急に休んだら困る、病気でも事故でも這ってきても来いなんて
言わないでしょ?
有給休暇を拒否っていうのはご存知だと思いますけども
労基法で違法だし、実際本当に病気とか事故があって本当に這ってきましたとかって言われたら迷惑ですもんね
それともそんなもん強要する
絶対やれって本気で言う会社じゃないでしょ?
そんなわけないだろ!
言ったら
それ位のね気持ちというか気概っていうかね
それでっていう意味はあっても本気じゃないですもんね
うーん、、
まあ、当たり前だろ
そうだと思いますよ
ちなみになんですけどね、僕昔担当した裁判でこうゆうことがあったんですが
営業に社員が出るんですよ
営業社員
先で交通事故あった
これ社員全然悪くないんですよ
信号無視で相手がぶつかったって社員さんは普通に横断歩道渡ってたんだけど
この社員さんを雇ってる会社がね
この運転手に対して裁判したんですよ
何かっちゅうと
この営業マンがほんまはその後取引先に行って営業してね
言うたら仕事して営業成績を上げるわけです
それがなくなったからその分賠償しろって裁判したんですよ
これ社長の立場やったらどう思います?
認められて当たり前だと思いません?
まあせやな
僕もそれは経営者としてはそう思うんですよ
ところが裁判所こんなこと言うんですよ
そんな事故ってあっても
それを対応するようにしておくっていうのが会社の責任だ
っちゅうわけですよ
つまり会社の損害賠償請求認めなかったんですよ
これはね冷たいなと思うけど
要は有給休暇使う場合もあるし、病気のこともあるし
その度に損害賠償なんかできないだろと
だからそういうことは人間ならあるんだから
それに備えときなさいな
というのが裁判所で言うこと
それは僕気持ちは別として
それ言われたらしゃあないなと思いますよ
経営者の立場やったらそれ言われたら辛いとこありますけどね
うーん、まぁそうだな
今回辞めはる鈴木さんだけど
鈴木さんが抜けるっちゅうことでね
担当した取引先との取引が潰れるようなことってあるんですか?
ないでしょ?
いやー
そこまではないけどね
そしたら
そんな最重要人物だったら社長もね
そりゃ優遇してお金倍出しても来いって言うと思うけど
残念ながらそこまでねなかったということやったらね
それは社長もまあしゃあないもう
そんな2倍も3倍も払うっていう従業員じゃなかったんでしょ
残念だけど
まあそうね
だから社長も鈴木さんの功績もあるって思うけど
鈴木さん成績そんだけ良くなくても、それでも(商品を)売ってたんでしょ?
その売ってたものについて、そりゃ鈴木さんも頑張ったと思うけども
それは社長、御社の商品が悪かったら誰も買うてくれないじゃないですか
だからそれは
鈴木さんの努力もあるけれども
御社の商品が良かったら続けてくれるんだから、担当者変更しても大丈夫ですって
もしね、鈴木さんの成績がホンマはめちゃめちゃいいと
だから損害賠償したくなるっていう
本当はそういうことだったとしてもですよ
社長がそれ取引先に行ったらどうします?
取引先に行ってですよ
「鈴木ねあいつ急に辞めよって使えない社員なんですわ」と
だからもうあいつから電話あっても受けん取ってくださいよ
もうほんま馬鹿な社員ですみません
なんてこと社長が言ったら取引先どう思います?
そんなしょうもない社員うちの担当につけてたんかと
これちょっと考えなあかんな
鈴木さん信じてこの商品買おうと思ったけど、ちょっと怪しいなって思うじゃないですか
だから社長もうお願いだから
そこはぐっと我慢して腹立つことあるかもしれんけども
鈴木は優秀な社員でしたと言うて
御社にはそんな社員をやってたんだけども、ちょっと一身上の都合で辞めたと
だから次は今回連れてきた…誰でもいいですよ
渡邉さんって適当に言いまっせ
渡邊が担当するこの人も優秀だから
ただちょっと鈴木と違ってまだ足りんとこあるかもしれんから御社色々注文つけてくださいね
それでどんどん成績も上げると思うし情熱だけは負けないから
だからウチの若手の1番を充てますから
よろしくお願いしますで取引先は喜ぶでしょ?
だから社長、こんなこと僕に言われなくても分かると思うけども
感情的に言う気持ちもわかるから、そこはぐっと抑えてそういう風にしてもらえません?
うーん、まぁ
取引先のことはこっちで考えるわ
社長がね経営者って立場で損害賠償っていう言葉を出したという気持ちはわかります
僕経営者だから
だけど、私達もいい加減にこれだったらなんでも損害賠償じゃなくてええですわ
これもこれもこれもなんて言ってません
ちゃんと情報を聞いて、こういうことまでしないと駄目だよって話をしながら、このケースだと損害賠償請求されても大丈夫と思うからやるの
だからねもちろん僕らはプロだから
社長がどうしても損害賠償請求したい思ってもね
一応僕ら守るようにできているので
あともう1個言うとね、これ社長は違うと思うけど別の社長とかでよく言うんですよ
そんなもん負けたって関係あらへんと
あいつが弁護士費用を追加で払ってそれで自分の懐痛めるもうそれだけでワシはすっとするんやっていう社長が昔いましたいましたけど
一応言うと彼ね今回損害賠償の裁判を起こされても
追加の弁護士費用を払わんで済むっていうコースに入ってるんですよ
だから彼の経済的負担ないんですよ
社長が裁判起こしてきても社長の会社はありますよ
彼はない
誰がしんどいかっていうと、こっち側は僕ですよ
いちから準備したって言っても僕ら裁判
ちゃんと書面書いてやらなあかんしきっちり1年位かけてやらなあかんかもしれないから
だからそういう意味で僕らは仕事だからやるけども
社長そこはもうよくよく考えてお願いしますよ
損害賠償も本気じゃねえよ
もういい
よろしく言っといてくれもう
分かりました
ちゃんとね彼にも社長がそう言ってくれたということを伝えますから
回答書付いてますんで、あれ書いてまた送ってください
すんませんけど
わかった
はいよろしくお願いします
じゃあ失礼します
まとめ
損害賠償!と言い出す経営者は少なくない。
しかし、冷静になってもらうように誘導すれば、実際に損害賠償請求には至らないケースがほとんどである。
その後、この会社から損害賠償請求されることはなかった。