本当のところどうなのという皆様の疑問にお答えしていくブログです。
できればブログ内の動画の方をご覧ください。
弁護士の嵩原安三郎です。
みなさん最近ね宅配ドライバー募集みたいな求人ってよく見ると思うんです。
稼げますって書いてあると思うんですけども、でもいざいいなと思って応募に行ってみると
業務委託契約で
って言われるんですね。
これもねつい先日ご相談あったんですけども正社員の方なんですけどね
社長に呼ばれて
ああ、ごめんやけど来月から業務委託にしてくれないか
と言われました。
どうしたらいいんですかね?
なんていうご相談なんですよ。
本当ね最近、業務委託契約でっていう会社が急激に広がったように感じてるんです。
さっき紹介した個人の宅配ドライバーだけじゃなくて、本来は会社の従業員さんがやってるような
人事管理であるとか
営業であるとか
電話の受付であるとか
ECサイトのサイトの運営とか
管理であるとか
あるいは、営業のInstagramを作ってその管理とか運営をするということ、普通は従業員さんがやるようなことを業務委託という形で働かせるというスタイルが本当に流行って広がってきていると思うんです。
これ会社の人は
時間も自由だし稼げるよ
なんて言うんですけれども、現実はそんな甘くないんですよ。
今日はその実態をご紹介しようと思ってます。
みなさんねちょっと考えて欲しいんです。
なぜ会社が業務委託契約にしようとするか?
従業員が得だから?
そんないい会社ありますかね。
従業員が得するってことは人件費が増える。
ということは、会社は損するわけですよ。
それで従業員に勧めます?
分かりますよね?
答えは簡単、業務委託契約の方が会社にとって圧倒的に有利だからです。
業務委託契約と雇用契約って何が違うと思います?
契約の名前?
だけじゃないんですよ。
これね、会社の立場で言います。
会社の立場で言うと雇用契約にはあって業務委託契約にはないっていうものがたくさんあるんですよ。
パッと思いつくだけでも5つあります。
ご紹介します。
雇用契約にはあって業務委託契約にはないもの
会社は社会保険料の負担が無い
1つ目
会社は業務委託契約の場合は、社会保険料の負担しなくていいんですよ。
要するに雇用保険であるとか健康保険とか、そういうものを会社が一部負担するわけですよ。
だから20万円の給与って決めたら、会社は実は23万円ぐらい負担するわけです。
これがない。
仕事を出さなかったら給料を支払わなくていい
2つ目
仕事を出さなかったら給与払わんでいいって事です。
これ何かって言うと、普通社員って固定給じゃないですか。
今日暇だなっていう日でも、会社にいりゃ給与払われるわけですよ。
ところが業務委託契約の場合は、会社側ね
今日はちょっと発注する仕事ねえな
待機してもらってるけど金払わんでいいか
これが通用するわけですよ。
固定給じゃないからね。
業務委託契約には有給休暇が無い
3つ目
有給休暇がない。
有給休暇ってね、会社にとっては
働かないのにお金払わなあかん
っていう制度なわけですよ。
それやらんでいいんですよ。
有給休暇って最大で年20日与えられるわけですね。
20日って1カ月分ですよ。
ほぼ1カ月分の給与をまるまる働いてないやつに払わなあかんっていうのは、会社にとってはすごい負担なんだけどそれやらんでいいんですよ。
業務委託契約にはアレコレ無い
4つ目
まとめて言います。
ボーナスも育児休暇も産休も介護休暇も労災も休業補償も何もないです。
業務委託契約。
めちゃくちゃ楽。
雇用契約にある解雇制限が無い
最後5つ目
雇用契約にある解雇制限がないんで業務委託の場合
あいつ言うこと聞かないな
何か生意気なこと言ってるぞ
よーし明日から仕事発注せんとこ辞めさせよ
っていうことが簡単にできるわけです。
つまり
会社にとっては業務委託契約って、何の責任もない従業員使い捨て自由!
っていう経営者にとって夢の制度なんです。
最高にハッピー。
業務委託契約にもメリットはあります
もちろん本当はそんな都合の良い話じゃなくて、業務委託契約にすると、その代わり働く側っていうのは
嫌な仕事を受けなくていいとか
自由に休めるとか
業務命令受けなくてもいいとか
嫌な時は今日は働かんとことか
自由にできるとか
兼業もちろん自由だし
全て自由
っていうのが本来の業務委託契約なんですよ。
だけど業務委託契約って言い出すような社長会社はね、そんな甘くない。
自分の義務は全部どっかにほっぽり出して、従業員をギュウギュウと締めつけるわけです。
休みもこっちで決めるし、時間もたっぷり働かせるし
だけど、さっきちょっと言い漏れたけど時間外手当ても払わんでいいわけですよ。
スッキリできるわけ。
そしたらもう本当に最高な制度なわけですよ。
逆に言えば働く側にとっては地獄の契約です。
業務委託契約を「地獄の契約」と呼ぶ理由
本来ね業務委託契約っていうのは、言わば独立のフリーランスを想定した契約なんですよ。
例えば弁護士もある意味それの1種なんです。
だから依頼者に言われて
じゃあこれ受任しましょう
じゃあこれ受任しましょう
とか
この仕事今ちょっと忙しくてできないんです
とかっていうのは自由にできるわけです。
それが、言わば業務委託契約なんですよ。
これができるんだったら普通の契約です。
別に地獄の契約違う。
だけどね逆に言えば受けたくない仕事は受けなくても大丈夫!
っていう程の会社と対等の立場でなければ、業務委託契約ってほんとに地獄の契約だし、
自分は独立の業者、独立のフリーランス
色んなとこと契約する
っていうものじゃなければ、業務委託契約は本当にやめた方がいい。
宅配ドライバーの業務委託契約は本当に最悪です
宅配ドライバーの話しましたけども、宅配ドライバーっていうのが業務委託契約するともう最悪で、個人宅に持って行く宅配ドライバーですけども、
僕たちにね相談あるケースで契約書とか見るととても多いのはね。
宅配1個頼まれてそれ持ってってドアtoドアで渡すわけですよね。
受け取ってもらってサインしてもらって帰る。
これ1件いくらだと思います?
120円とかそんなものなんですよ。
全部が全部じゃないそういうのが多いんです。
ならね渡して120円ですから、いなかったらもう一回行かなあかんのですよ。
やっと渡して120円です。
ポストインで入れられるやつ、それやったら数10円ですよ。
ほんならねいいです?
1200円稼ごうと思ったら1時間に10件渡さなあかんですよ。
私が行ったら全ているわ、みんないるわ
このビルに行ったらここに10軒あるわ
ピンポンピンポン
ハイハイハイって渡していって
1時間で
ああ10軒楽勝!
というのが続いてやっとですよ。
時給1200円なんですよ。
多分ね最低時給切るんちゃうかな。
しかもですよ、いいです?
これができたとしましょうよ。
したとしても、毎時間10軒渡せると、再配達なんかないと全部できてます。
それで回りましたってするじゃないですか?
今日は1万円稼いだな
ってなると思います?
甘い!ならないんですよ
なぜか?
これねその会社から車をリースされるんです。
そのリース料とか、事務手数料って名目で月に4~5万取られるって普通なんじゃないかな。
4~5万って…いいです?
月25日びっしり働くとして5万円だとすると、1日2000円の換算なんですよ。
つまり、2時間ぐらいタダ働きなんです。
しかもガソリン代自己負担です。
そうなると、そんな毎日ガソリン入れるわけじゃないけどね、本当に下手すると2時間とか3時間さっき言ったうまくいってやっと1200円ですから。
3時間とかタダ働きなんちゃいます?
下手すると4時間タダ働きなんちゃうかな。
それ聞いて.
それでも俺は大丈夫だぜ
って思ってる人が何人いるか?
ほんと大変です。
まとめ
さあ今日はですね。
業務委託契約は絶対にオススメしないというお話をしました。
業務委託契約にするってねそれを受けるっていうのは自分でお店を出すとか、自分で独り立ちしてどこかでサービスやるというのと全く同じ覚悟が要ります。
ですから、今社員でやってる人が業務委託契約に変えるとか社員になるぐらいの感覚で業務委託契約するっていうのは絶対にやめてください。
俺はどうでも稼げるぜ
才能もめちゃくちゃあるからどこでも稼げる
っていう自信のある人以外は本当にやめといてください。
はい業務委託契約考えてる人、本当に気をつけてくださいね。
だからこそ退職する時もほんとに大変なんです。
僕らも苦労してそれでも退職全部してもらってますけどね。
契約を解除するんですけども、本当に大変なんです。
気をつけてくださいね。
ではまた次の動画でお会いしましょう
さよなら!