本当のところどうなのという皆様の疑問にお答えしていくブログです。
できればブログ内の動画の方をご覧ください。
会社に退職代行を知らせる電話をすると、ほとんどの会社は大きな反論をせず声を荒げることは少ない。
「仕方ない」と諦める場合もあるから。
しかし、そんな会社だけではない。
はじめの電話は突然のことで驚いて、とっさに反論できなかっただけであることも少なくない。
少し時間をあけて落ち着いた後、怒鳴りながら電話をしてくる経営者もいる。
本当の戦いは「二本目の電話」からだ。
これは実際にあったある退職代行のケースの再現である。
嵩原先生
1番に◯◯株式会社から田中さん(仮)のことでお電話です
すみません。
お電話変わりました。弁護士の嵩原です。
突然退職するなんてどういうことや!
田中さんの件ですよね?
田中さんが…
それがどういうことか聞いてるんや!
今僕喋ってるんですけど、退職っていう意味がわからないですか?
会社を辞めるということです
いやそんなん分かってるやん
理由を聞いてんねん
理由聞いてどうするんですか
うるさい!
とにかく言え!
いや、あなたに怒鳴られるからですよ
あのね、私今初めてあなたと腰を据えてお話しようとしてるわけですよ
その弁護士に突然怒鳴りつける
従業員の田中さんにあなた相当怒鳴りつけたんでしょ?
そりゃあね田中さんじゃなくても辞めますよ
むしろね…
僕話聞きました
それよく我慢したと思いますよ
突然辞めるなんて電話あったら感情的になるやろ!
いや…あのね、お仕事してたら取引先から突然のお電話ってありません?
そういうお電話でもお前なんで突然電話してくんねん!って怒鳴りつけるんですか?
いやいやそんなんあるか!
こんな電話やから電話怒鳴るの当たり前やろ!
確かにねあなたにとっては嫌な電話だと思います
嬉しい電話じゃない!
取引と違ってね
そういう嫌な電話だったらあなた怒鳴るんですか?
従業員がね
今日は熱があるから休みたいとか、有給休暇使いたいとかあと休日出勤
これもちょっと今日は勘弁してくださいって言ったら
聞きましたよ僕、田中さんが言ったら全部怒鳴ったんでしょ?
いやいや…
あなたにね都合が良くないことがあったら従業員怒鳴ってええって
そんな理屈通るわけないじゃないですか!
そりゃ従業員だって人間だから1回2回やったら我慢しますよ?
続いたら辞めたくなりますよ!
内容を入力してください。
あとね聞きましたけど、田中さんにお前使えないってなんかしょっちゅう言ってるそうですね?
いやいや
営業成績が悪いから言いたくもなるやろ!
じゃあ…
客観的に分からないですけど、田中さん営業成績悪いんでしょ?
悪くて使えない社員やったら引き止める必要ないじゃないですか
あのね
僕分かりませんよ?
実際に彼の営業成績わからない
だけど悪かったとして彼のやり方が悪かったのか、彼の上司がいるでしょ?
その上司も指導するでしょ?
上司の指導が悪かったのかたまたまの巡り合わせかわかりませんよ僕は
分からんけど少なくても、あなたが期待しているものにはかなわなかったんでしょ?
届かなかったんでしょ?
だからそれはあなた自身も社長でずっと経営されてきたんだから、退職言われても仕方ないなと心のどこかでは理解されてるはずですよ
でも、あなたにとっては田中さんあんまり成績良くなかったってことだから、それは一言言いたい
こんな辞め方したらそれは僕も経営者だから気持ちは分かります
でももうこれでいいんじゃないですか?
僕ね田中さんからパワハラで訴えたいとか、そういう依頼受けてるわけじゃないんですよ
ただ、退職の代理をしてくれって、自分の代わりに手続きしてくれ
それだけなんですよ!
だから僕は淡々と進めるだけ
でね、ごめんなさい
これ僕勝手なことを言うけど、これきっかけにねこういうの増えると思う。正直言って
そしたらこれきっかけにね
ああ、こういうやり方もあんねんなと、ならちょっと今残ってる従業員に接し方変えようかなとか
それはあなたね考えてくれることだと思うけれども僕意見言うことじゃないの分かってます
分かってるけど
あなたもこういうことあって嫌なことだと思うんです
それをどうしたら回避できるのか
しょうもない規則作ったらダメですよ?
そんなん作ったって通用しないけども
接し方をこうした方がいいんじゃないかなとか
何か変えるきっかけになったら、会社のためにもなると思うし、僕何かそのきっかけになったらいいなと
僕そう思ってそれができたらうれしいなと思うんですよ
わかったわかったもう…
送ってきた書面に付いてる回答書っていうのに記入して送ったらいいんやな?
はい
ありがとうございます
わかったわかった
怒鳴ってすまんかったな
私仕事ですからね
それは大丈夫です
じゃあお待ちしてますね
はい、それでは電話おきます
さよなら
まとめ
普段大声で従業員を怒鳴りつけるのが当たり前になっている経営者。
面と向かって反論されると、はじめは大声で怒鳴り続けていてもふと我に返る瞬間がある。
そこを逃さずに畳みかけることで、円満に解決できることも多い。
あの社長もこれを機会にやり方を見直してくれれば、これ以上退職者が増えることもないかもしれない。