本当のところどうなのという皆様の疑問にお答えしていくブログです。
できればブログ内の動画の方をご覧ください。
弁護士の嵩原安三郎です。
今日はね退職代行にまつわるちょっと怖いお話をしようと思ってます。
これ何かって言うとね、会社が怖いって話じゃないんですよ。
実は退職代行を依頼した業者と突然連絡がつかなくなるっていう怖いお話なんです。
しかもね、退職代行業者がね会社に連絡した後に連絡がつかなくなるっていうことなんで…
その後、自分で会社に連絡して退職手続きの続きをするか、はたまた別の業者・別の弁護士に再度お金を払って依頼し直して、そこに続きをやってもらうというそういう怖いお話なんですね
ではいきます。
退職代行業者が会社に連絡した後、途中で連絡がつかなくなった…
みなさんね最近ちょっと目立ってきた…前からあったんですけど
目立ってきたご相談にこんなのがあるんですよ。
すみません
実は別の退職代行業者に依頼していたんだけども、その業者と途中で連絡つかなくなったんです。
しかも最悪なことに会社に連絡した後なんですよ。
申し訳ないけど続きをやってくれませんか?
そういうご相談なんです。
連絡つかなくなった理由っていうのは色々あるんですけども、一番目立つのがね業務委託契約の場合なんです。
これどういうことかって言うと、退職代行業者が会社に電話するわけ
すみません〇〇さんの退職でお電話したんですけども
〇〇さんあなたの会社退職させてもらいますね
退職届も届けます
何言ってるの?
あの人、業務委託契約だけど?
雇用契約じゃないけど?
そんな退職届だけで辞められるわけないじゃない!
そうなんですか
わかりました
業務委託契約なら僕ら手を引きますね
ではさよなら
で、依頼者にLINE
すみません
会社に電話したら業務委託契約らしいじゃないですか
僕ら業務委託契約だったらやらないってサイトに書いてますよね?
だからあとは自分でやってください、よろしく
いやいや困りますよ
そんなこと言われても…
続きちゃんとやってくださいよ
ちゃんと情報提供しなかったのはあなたの方ですけど?
これ以上連絡するんだったら業務妨害で訴えますよ?
これ実際にあった話なんですよ。
困りますよね、会社に電話する前だったらまだしも電話した後だから…
まあ…自分でね、その後業者なり…普通は弁護士になると思うんだけども
弁護士にお金を払って続きをしてもらうか、もう会社に謝って
すいません
もう辞めませんのでこのまま僕を使ってください
と言うか
大体どちらかになってるんじゃないですか?
申し訳ないけど、僕らに依頼あった時はねお金は頂戴します。
普通にお金を頂いてやることになります。
じゃあ、何でこの退職代行業者は業務委託と聞いた途端手を引くのか?
これね、理由は2つあるんですよ。
業務委託と聞いて手を引いた理由①法律上の理由
まず1個目
これはね法律上の理由なんです。
何かって言うと
退職の場合はね…
まあ例外いっぱいありますよ。
例外いっぱいあるんだけども、会社に電話して
2週間後に辞めます
って言えば成立するんですね。
だからもう連絡するだけなんですよ。
なんだけど、業務委託契約っていう場合は会社に連絡すれば終わりってわけじゃないんですね。
ちゃんと
・業務委託契約を解消する理由であったり
・交渉だったり
ってのが必要になるわけですよ。
それ…
弁護士以外の退職代行業者がやると違法になるので、できないんですよ。
で、まあこれねうまく使ってて…
まあ変な話、自分たちが手を引くためにね
ごめんなさい
これ違法なんで手を引かせてもらいます
っていう風に便利に使われてるとこあるんだけども
まあ1個目はねこういう…違法だからってことが理由ね。
業務委託と聞いて手を引いた理由②難しくて出来ない
2つ目
実はこれが本音なんですけど
単純です。
難しくてできないんですよ!
本当はただの退職の場合も、いっぱいクリアしないといけないものがあって、ただ連絡して2週間後に辞めますでは足りないことがあるんだけども
それはさておき、業務委託契約の場合にどうやって解除・解約・解消できるかって知らないんですよ。
知っててもできないわけ。
難しいですよ結構、裁判例いっぱい知ってないといけないし、法律も知ってないといけない。
だから、実際に違法だからできないのもあるんだけど、そもそもやる知識がないんですよ。
そしたら
いやもうこれ以上やると無理なんで、僕らできません
さよなら
って簡単に言えちゃうよね。
そうすると困っちゃいますよね?
…今ちょっと声が聞こえましたね
嵩原よと、今巷では偽装業務委託契約っていうの言われてるよね
形は業務委託契約を取ってるけれども
中身は雇用契約なんだ
だから
普通の雇用のルールに則って同じように退職できるはずやで
知らないの?嵩原
知ってますよ~、そんなもん
ただ、これそう簡単にはいかないんですね。
偽装業務委託契約を見抜くのが難しい理由その①
簡単にいかない理由、まず1つ目
・どんな場合に雇用契約なのか
・どんな場合に業務委託契約なのか
っていうのって法的な判断が要るんですよ。
これねちょっと一応簡単にお話しますね。
簡単にお話しすると、業務委託契約か雇用契約ってどっちかっていう場合にね一番シンプルな話で言うと、業務委託契約っていう場合はこれ業務委託契約業者と会社っていうのが対等の取引関係なんですよ。
なので、この業務委託契約の業者の方がね
すみません
いつも仕事をもらってありがたいですけど、今日はちょっと仕事できないんです
お休みなんです
だからごめんなさい、別の人に頼んでください
っていうのが自由に言える訳ですね。
仕事が欲しいから事実を言えないとか、そういうのはあるかもしれないけども、どんな理由でも断れるんですよ。
いやすみません
今日は娘の入学式で、私家族を大事にしてるんでちょっと今日仕事受けられないんです
とかね、今日っていうか来週でもいいんだけども、そういうことが自由に言える。それが業務委託契約の場合なんですね。
雇用契約の場合はもちろん有給休暇とか使って休めるってあるけども
すいません
今日ちょっと気分のらないんで会社休みます
なんてできないでしょ?
これが雇用契約。
業務委託契約の場合はできます。
本音を言うかどうかは別として
すいませんちょっと今日ね調子悪いんですよ
テンション上がらないんです
だから休みます
が一応通用するのが業務委託契約なんです。
だから実態を見るとね、業務委託契約っていう契約書は結んでるんだけども
・いつ働くかも会社が決めてる
・何時から何時に働くのも会社が決めてる
・仕事っぷりを管理してる
色んな条件あるんだけれども、そういうものを総合的に考えると
いやこれ独立の業者って言えないよな
だからこれ契約書の形は業務委託って書いてあるけど、内容は雇用契約だよね?
っていうことがあるんですよ。
これみなさん誤解があると思うんだけど、契約書に何て書いてるかってねあんまり重要じゃないんですよ。
それよりも中身なの!
だから業務委託契約っていう契約書取り交わしても中身が雇用契約。
書いてる内容っていうよりも実態かな?
実態が雇用契約っていう実態だったら裁判所はこれは雇用契約って認めるんですね。
その判断っていうのが必要だっていうことがこの偽装業務委託契約って見抜く時のね難しさの1個目。
偽装業務委託契約を見抜くのが難しい理由その②
2つ目はね
これどうやってそれを会社側に理解してもらうかって話なんですよ。
その時にはちゃんと説明する必要がある。
こうこうこういうことで、こういう裁判例もあるのでこうなんですよ。
なんてものを必要に応じて言わないといけない。
これが難しいですね。
偽装業務委託契約を見抜くのが難しい理由その③
3つ目はね、これ…ノウハウの問題なんだけど、会社の方もね
これしまった…これ…
確かに偽装って言われちゃうな
本当は雇用契約かもな
だけどこれちょっと雇用契約って認めるわけにいかんぞ
だって他のやつらもいるもん
っていう本音と建前を会社の社長は持ってるのね。
それをうまく調整しながら退職に持っていくかというのってノウハウなんですよ!
人間は正論だけではうんと言わないから。
みなさんもわかるでしょ?
逆に正論言われた方が腹立つってことあるじゃないですか。
だからそういうものだけでは通用しないよね。
なのでそこから退職に持っていくっていうテクニックもあるんですよ。
ですからこれが揃わないと簡単には
偽装業務委託契約です
はいはいわかりました退職です
ってわけにはいかないんですよ。
退職代行業者が業務委託契約の退職を引き受けないのは大変だから
そう考えたらもうわかるでしょ?
退職代行業者…弁護士じゃない退職代行業者がこれを自分たちで引き受けない理由っていうのは
もう大変だからですよ、無理なんですよ。
なので、
あとは弁護士に依頼してください、さようなら
で終わっちゃうわけですね。
なのでもう正直言って、そういうややこしいその可能性があるも含めてよ
ややこしい場合はもう初めから弁護士に依頼した方がいい!
あのね、そうするとね「弁護士監修」とか「弁護士が見てます」とか、うち労働組合ですっていっぱい弁護士以外のとこもあるけど、そういうところは基本的にでも同じです。
中に違うところあったら教えてほしいんだけども、基本的にはね業務委託契約っていうのをちゃんと理解してちゃんとやってるところは僕の知る範囲ではない。
僕の知らないとこあるかもしれないけども、相談を結構ね名の知れた大手の業者で
ここで頼んだんだけど駄目でした
ってこと相談に来るので具体名が出てるんでね。
ああそっかってことをいつも感じてるんですよ。
だからもう業務委託契約って可能性があるんだったら、もう正直初めから弁護士頼んだ方がいい。
なんで、具体的には次に言うような人は業務委託契約途中で言われる可能性があるんで、弁護士を選んでください。
別に僕のどこじゃなくてもいいですよ。
弁護士他もいっぱいいるから、僕のとこも依頼あったらもちろんきちっとするけども、他の弁護士でも構いません。
とにかく弁護士に頼んでください。
途中で業務委託契約と言われそうな人
その人はどういう人かって言うと
1つ目
雇用契約書以外の契約書にサインした記憶があるっていう人。
2つ目
会社から業務委託だぜって何かのタイミングで言われたことがある人。
まあナイトワークなんかにも多いね。
ナイトワークとか運送業なんかでも多いね。
飲食店も多いのかな?
3つ目
給与明細とか見た時に社会保険料引かれてないケース。
これ業務委託契約の場合引かなくていいんで、社会保険料は引かれてないっていうケースね
要するにもう日給幾らと言われたら、その日給のものがもらえるというタイプね
4つ目
これはね
うちは有給休暇がないって言われてるような会社。
誤解があって有給休暇はないって言ってる会社もいっぱいあるけれども
うち業務委託だから有給休暇ないけど
って言ってる会社も結構あるんで、有給休暇ないって言ってる会社はちょっと怪しいかな。
後で業務委託だって言い出す可能性がありますね。
ですから、この4つに該当する人はちょっと気をつけて依頼先を考えた方がいいと思う。
そうしないと、一旦退職代行をスタートした後に退職代行業者がいなくなって、またもう一回別の退職代行を頼まないといけないってことが出てきます。
だから慎重にお願いします。
まとめ
今日はね退職代行頼んだ時のちょっと怖い話…まあ結構怖い話かな
退職代行業者がいなくなるっていうケースをご紹介しました
それではまた次お会いしましょう
さよなら!