本当のところどうなのという皆様の疑問にお答えしていくブログです。
できればブログ内の動画の方をご覧ください。
弁護士の嵩原安三郎です
残業代って結構奥が深くてですね
僕も労働法に携わってもう27年弁護士やってるんですけれども、何かあるたびに新しい発見あるんですよ。
で、結構ね「こんなものにも残業代」ってカウントするんだとか。
裁判とかすると、裁判例を改めて色々調べるじゃないですか。
そうすると、びっくりするものがあるんですよ。
この動画の前に別に撮った動画で、会社のルールって法律に照らすと非常識っすよっていうものを3つほどご紹介したんですよ。
残業代に関してなんですけども。
それ聞いてね
これも残業代になるんだ
っていう風に発見してくれた方もいらっしゃると思うんですけども
それもしかしたら、これ知ってるよというものも入ってたかもしれない。
でも、これからご紹介する4つはですね
それも残業代になんの？
え？じゃあ俺いくら残業代損してんねん
っていう発見があるんじゃないかなと思います。
題して
あらこんなところに残業代♪4選
をご紹介します。
ではいきます！
あのね
ホントね残業代って基本的には
例えばね朝9時から夜6時までの会社とすると、この6時過ぎてからのものが残業代っていうイメージだと思うんですね。
もちろんこの前の動画をご覧になった方ではですね、この9時より前、8時から出勤してるよっていう場合にはこれも早出残業って言われているっていうことは知っていただいてるかもしれませんけども
それ以外もあるんですね。
残業代が出るもの①「待機時間」
で、まず1つ目はですね
待機時間です。
もっと言うと遊んでるけど待機してる時間です。
これなにかって言うとね、まあ有名なところでいうと
運送業
トラックドライバーだと例えば10時に荷主のとこいかなあかんってあるじゃないですか。
で、もう10時過ぎたらまずいので、9時半に着くように行ってますと、9時半確かに着きました。
30分あるからちょっと寝～とこっ
って、寝ていると、、どっか車止めてね。
これ寝てるんです。
あるいはスマホでわ～っと遊んでいるんです。
でもこれ、休憩時間じゃないです。
原則として。
これは10時に間に合う為に9時半に行ってる。
業務の為に必要な時間でしょ？
だから、その後わ～っと寝てても遊んでても、待機時間として労働時間になります。
だって例えば10時っていっても、ガラガラガラ～って10時丁度に開くんじゃなくて、10分ぐらい前ガラガラガラ～って開いて
もうちょっと入ってくれ
って言われるかもしれないでしょ？
その時は「おお～」って行かなあかんじゃないですか。
全然休憩してないんですよ。
これは法的な意味での休憩時間じゃないんで
待機時間！
まあ、労働時間になる待機時間として給与に入れないといけない。
だから、その分給与から引いているよって会社あるとそれはダメなんです。
他にも応用利くのは夜勤です。
夜勤って結構ね
夜の9時から朝の何時まででいくらって決まってる。
1万いくらとかで決まってるとかってあると思うんですけども、あれ例えば9時～6時で考えると全部で9時間じゃないですか？
9時間で1万円払うよと言ったところでね、9時間で1万円って深夜手当ても入れると場合によっては最低賃金切っちゃうんですよ。
で、それどうやってごまかしてるのかっていうと
途中で仮眠時間って入れてるんですね。
例えば夜中の1時から3時まで仮眠してくれって入れてるんですけれども
仮眠できてます？
仕事がないからぼーっとしてるかもしんないけども、完全に休めてます？
これね、労働時間から省いていい休憩時間っていうのは条件があって
完全に業務から離れてないといけない！
言ったら、その会社の場所から出て行っていいし、スマホの電源切って連絡取れないようにして遊んでてもいい、パチンコしたりとかねスマホゲームしたりとかね。
それでもいいっていうのが休憩時間なんですよ。
できます？夜勤で
何人かいるみたいですよワンオペ。
で、まあ仮眠室あるとしましょうよ。
仮眠室でガ～ッと寝てたらピコピコピコ～って鳴って
ああ、、行かなあかん
そうなってません？
携帯電話常に電源をオンにしてません？
それはね、夜中に呼ばれるっていうのは1月にいっぺんないかもしれない。
週にいっぺんとかかもしれない。
もっと多いかもしれないけどね。
でもそれだとしても、いつ出て行かなあかんかもしれんっていう中で休むわけでしょ？
これって全然休んでないんですよ。
だから法的な意味での、労働時間から省いていい休憩時間にはあたらないの！
だから仮眠時間2時間なといったって
本当にグ～グ～寝てて、どんなものがあっても動かんでいい。
まあ、火事とかやったら別かもしれないけども…
普通なら動かんでいいよっていうもの
例えば介護施設だと、利用者さんから呼び出しに出たとかもう全然ダメ！
もう火事とか本当に殺人犯が入ってきて暴れてますとか、こういう緊急事態じゃなければ出ていかんでいいっていう場合じゃなかったら、休憩にはなりません！
そうなると、夜勤の人結構給与引かれてません？
この休憩時間を入れて計算し直してください。
さっきのトラックの例でもね
トラックを停めてどこかへ行って、ホントに9時半に行ったら10時までトラックから離れてずっと遊んでていいよって、
荷主がガラッと開けて入ってくれって言っても
路駐してそのまま何にもしなくていいよってことやったら、労働時間から省いていいかもしれないけども…
なかなかないですよね。
残業代が出るもの②「電話番」
次、その同じようなもんなんですけども、これよくありません？
電話番です。
これもダメ！
お昼ね、自分の机でお弁当広げてご飯食べるっていう方いらっしゃると思うんですけども
ついでに電話番しといてね～
ってやった瞬間、この1時間の休憩は休憩じゃなくなります。
法律上労働時間になります。
ああ残ってるんだったら、ちょっと電話番しといて～
お昼ご飯食べるんだったら電話番しといて
って、言われなくてもご飯を食べてたら、電話ジリジリジリ～って鳴って無視して食べてると
電話取ってよ…
って言われる。
電話番してるのと同じですよ。
これアウト！
電話取って1分だけ話すで切ったら、1分だけ休憩から外れるじゃないんです。
だって完全にその業務から離れてる訳じゃないから。
だから、その1分のために、なんなら待機してるっていうだけの0分のために、1時間が労働時間になります。
だから、電話番をお昼のついでにしてとかいうのは、アウトです！
時間外手当の対象になります。
僕ね「中間残業」って勝手に呼んでいるんですけども、早出残業と残った普通の残業との間に入ってので中間残業。
中間残業というのが存在するんです。
残業代が出るもの③「すぐに連絡付くように待機」
そうするとこれが3つ目なんだけど
これね本当に最近のスマホ、もうみんなほぼ持っていますよ、というこの状態から生まれたものであるんですけども、
俺の電話にすぐ出ろ
俺のメッセージはすぐ返せ
という残業です。
何か分かります？
例えば、あなたの上司とかが夜中の10時ぐらいに電話し来るわけですよ。
それで
上司やな…なんなんや？
まあ、無視！
ってやると、次の日めちゃくちゃ怒られると。
俺の電話を無視しやがって！
とかね。
それで夜中の23時とかにメッセージを送ってきて、すぐ返さなかったら翌日にめちゃくちゃ怒られる。
俺のメッセージはすぐ返せ！
まぁ、僕も経営者側だから分かりますよ。
気持ちは返してほしい。
今メッセージを送ったのは、今聞きたいからって分かるんだけど…
それ言ったらその時間ずっと拘束していることになるから。
だから23時にメッセージを送ったり、電話してもすぐ出ろって言っているんだったら
その分待機しとけってことなんですよ。
それはね場所は家でもいいし、飲み屋でもいいし、何でもいいんだけども、
電話すぐ出ろ！
待機してろ！
ってことだったら、さっきの仮眠時間で待機と何が変わります？
だから
この俺の電話には必ず出ろ！
俺のメッセージにはすぐ返せ！
って言ってる時間帯がだいたい21時ぐらいまであるかなとか、23時まであるかなとか…
それ労働時間なりますから！
もちろん、いろいろな事情を考慮してこの部分を省くとかっていうものが出てくると思うよ。
だけど、これは待機時間になります。
なぜかというと実際そういう裁判例って探してもあんまり出てこないんですけども、
昔の事例で住み込みの家に寮母さんって分かりますか？
管理人さんで「住み込みの管理人」というものがあるんですけど
住み込みの管理人さんが、例えば夜の8時とか10時に電気消しにからがという業務があったと
じゃあこの残業代請求があってですね、裁判例でこの消しに行くっていう、この5分ぐらいで行けるんですけれども
この5分+5分の10分が未払い残業代なのか、10時まで拘束されているのかっていうのがあって
これは10時まで拘束されているというのが原則だという裁判例があるんですね。
なぜそれかというと、待機しないといけないから！
その時間に帰って来ないといけないかなということなんですよ。
これは特殊かもしれないけれども
つまりね何か決まった業務があったり、飛び込みでもいいんです。
それを待っていないといけないっていうのは、これは実際自由に時間が使えるというわけじゃない。
だって、さっき言った休憩時間で自由にできるって言うけれども
8時とか10時に帰ってくるためにはちょっと遠くに行けないでしょう？
昼休みならいいですよ。
昼休みに1時間先のところに行って、帰ってくるというのはダメだってわかるけれども
夜って、まあ今の社会人というのかな
多くの人は夜だけが自由時間という人、自分の時間だとして多いわけじゃないですか。
だって、9時6時とかと決まっているとね。
そうすると、そういう人が本当に自由に使わないといけない完全フリーにならないといけない時間を拘束するわけだから。
それを拘束したこの時間帯は全部残業代と考える。
というのが裁判所の考え方なんですよ。
だから
俺の電話には夜にでもすぐ出ろ！
といったら、その時間帯は残業代が発生する可能性十分ありますよ。
残業代が出るもの④「セミナー・勉強会・研修・反省会・講習会」
4つ目です。
これはもしかしたら有名かもしれないけども
セミナー勉強会は、全部残業ってことです。
もちろん、本当に自分が自主的に会社から言われない。
紹介はされたけれども10人いたら8人入ってない。
でも俺が行きたいが行くわ！
というのだったら残業じゃないよ。
でも会社が
これは任意ですからね
とかって言いながら、結局全員行かなあかんようなもの。
あるいはそこに行かないと、業務の情報をそこで交換するんで実際業務へ差し障りがある。
そんなセミナーだったり勉強会だったりってありません？
レポートを出せと言われたりとかね。
それって自分で自由にならないじゃないですか。
本当に自由だったら行っても行かなくてもいいし、よしんば行ったとしても「つまんね帰ろ」って3分で帰ったっていい訳ですよ。
それができない、拘束されているというのはこれは業務なので、もちろん業務時間内にやったら別ですが
6時までの会社が
6時半からのどこどこのセミナー行って来い
とか
任意だけど…（全員参加な！）
みたいなやつは、これは社内でも社外でもセミナーという名前だったり、反省会だったり、研修って名前だったり、講習会って色々ありますけれども
全部業務になりますので！
これは当然そこに参加する参加費用も会社に出してもらうのが当たり前だし、その拘束された時間の時間給も請求できるということになるわけです。
そうすると昼休みの時間何か見なあかんとか、夜なんか見なあかんとかね。
おいこれ、この動画いい動画だから家で見てこいや！
というのも、家で見る残業ですから。
だって業務命令なんだもん。
あとね、自分をもっと高めるために、知識を身につけるための勉強。
これは良いことだし、会社から言われる言われないとかじゃなくて、やるべきかもしれないよ。
もちろんやらなくたっていいんだけど、だってそんな仕事ばかりが人生じゃないからね。
でも、そういう自分を磨こうと思って、知識を身に付けようと思って他の人よりもっと上に行こうぜって言って勉強するのは、これはこれでいいと思うんですよ。
これは自分の自由だし、自分の時間を使ってやればいい。
でも、これをやんないと会社の業務が回らない。
つまりみんな受けているんで、僕だけ受けなかったらついていけないようなものだったら絶対必要なものになるんで、これは自己研鑽じゃない。
会社の業務ですから、これは堂々と残業代を請求してください！
よろしいです？
今日はですね隠れ残業代というものを4つご紹介しました。
あなたの残業代がどうなるのか、正当な私の働いた価値はどれだけなのかっていうことをまずは考えてみてください。
ではまた別の動画でお会いしましょう。
さようなら！