派遣社員も退職代行を利用可能
派遣社員も「労働者」であることはその他の社員の方と同じです。
ですので、正社員や契約社員の方と同じように退職代行を利用して退職することができます。
「派遣先との契約があるからそれまでは絶対に続けろ」とプレッシャーをかけられ、
「退職したくても途中で辞められない」という方は多いかもしれません。
しかし、無理して働いて「ある日突然、限界が来て倒れてしまう」ことになったら手遅れです。
無理は禁物。
手遅れになる前に退職代行を検討して下さい。
派遣社員には2種類ある
派遣社員が雇用関係にあるのは「派遣元」です(派遣先ではありません)。
そして、派遣元の会社との契約の内容によって、「常用型」と「登録型」の2種類に分かれます。
「常用型」は「正社員型」と言ってもいいかもしれません。
「常用型派遣社員」の場合、派遣元の会社の社員として雇用され、「派遣先」が決まれば派遣先に行って仕事をします。
派遣期間の間だけいわば「出張」して派遣先の仕事をするようなイメージです。
専門性の高い業種で見られることが多いことが特徴です。
「登録型」は
「契約社員型」
「スポット雇用型」
「一時期のみ雇用型」
と言ってもいいかもしれません。
一般的に「派遣社員」という場合、「登録型派遣」であるケースが多いでしょう。
「登録型派遣社員」の場合、派遣先が決まるまでは派遣元との間に雇用契約はありません。
派遣先が決まると、「派遣される期間」の間だけ派遣元の会社と「雇用契約(有期雇用契約)」を結び、同時に派遣先に行って仕事をします。
派遣期間が終われば、派遣元との雇用契約も終了です。
つまり、「常用型」は「期間のない雇用契約(無期雇用契約)」、「登録型」は「期間のある雇用契約(有期雇用契約)」ということになります。
そのため退職の仕方が異なってきます。
派遣社員①「常用型」の派遣社員の場合
「常用型派遣」では派遣社員と派遣元会社の関係は「無期雇用契約」です。
そのため、「正社員」と同じ手続きで退職できることになります。
つまり、民法627条1項が適用され、派遣元に退職する旨を伝えれば、2週間で退職が確定します。
ここで重要な注意点があります。
「派遣元会社に『退職します!』と伝えても『2週間後の退職』となる」ということです。
原則としてその2週間は出勤義務があります。
その日から連絡がとれない状態になってしまいますと、派遣元会社から損害賠償請求を受けることすらあり得ます。
この点はあえてごまかしているようなサイトも多く見られますが、非常に重要な点です。
では「その日から行きたくない!」という場合はどうしたらいいでしょうか。
「退職を伝えた日から出勤したくない!」「即日退職したい!」という場合には、派遣元と交渉することが必要です。
またその際にはその日から出勤しなくていいようにするために「民法627条1項以外の法的知識」が必須です。
そのため、「退職の連絡をした日から出勤せずに退職したい」のであれば「長年労働問題に取り組んできた弁護士」に依頼することが必須です。
近年急激に数が増えた「労働組合型退職代行業者」の中には、派遣元会社から「損害賠償請求する!」と言われると、依頼者に「あとは弁護士に相談して下さい」と言ってそれ以上は対応しないケースがあるようです。
ご注意下さい。
派遣社員②「登録型」の派遣社員の場合
「登録型派遣」では、派遣社員と派遣元会社とは「有期雇用契約」ですので、「契約社員」と同じ手続きで退職することになります。
つまり、民法628条の適用があり、「退職することがやむを得ないといえる理由」(やむを得ない事由)がきちんと説明できれば、退職が可能です。
逆に言えば、「退職することがやむを得ないといえる理由」(やむを得ない理由)をきちんと説明できなければ、そもそも期間途中の退職はできません。
「やむを得ない事由」といえるかどうかはまさに法的判断であり、派遣元会社と交渉も必要です。
それをせずに「今日から行きません!退職します!」と言って突然仕事に行かなくなると、最悪の場合、派遣元会社から損害賠償請求を受けかねません。
そのようなことがないようにきちんと「法的対応」するためには、弁護士による退職代行を利用する必要があります。
トラブルがおこってからでは遅すぎます。
会社から「損害賠償請求するぞ!」と言われても弁護士ならすぐに対応できますが、弁護士以外の退職代行業者(労働組合型退職代行業者も含みます)の中には「これ以上は私たちでは対処できませんので、弁護士にご相談下さい」と言って何もしないというケースがあるようです。
ご注意下さい。
登録型派遣の「やむを得ない事由」とは
登録型派遣社員の場合、期間途中での退職が認められるには「やむを得ない事由」が必要となります。それがなければ期間途中の退職はできないのが原則です。
やむを得ない事情は一般的に
「本人や家族の病気やけが」
「介護などの家庭の事情」
「法令に反する業務をさせられる」
「あまりに劣悪な労働環境などで仕事が続けられなくなった」
などの場合を指します。
派遣社員のブラック労働とは?
法律無視のおそろしい派遣会社
売上げばかりを追求して派遣社員を「モノ」や「駒」としか考えていないような「ブラック派遣会社」は残念ながら多く存在します。
「始めに聞いていた話と実際が全く違う」「派遣先でパワハラを受けたことを相談しても無視された」「約束の期間が来ても『次が決まった』と言って辞めさせてくれない」「体調を崩して退職の相談をすると怒鳴りつける」などの「ブラック派遣会社」の被害相談は私たちの事務所にも数多く寄せられています。
またブラック派遣会社から派遣された先でも「長時間労働を強いられた」「こなしきれないほどの大量の仕事をさせられた」など、劣悪な労働環境の被害報告が少なくありません。
また、「派遣先から更に別の会社に派遣される」という「二重派遣」は法律で禁止されているにもかかわらず、「法律なんか知るか!」とばかりに「二重派遣」「三重派遣」を行う「ブラックを超えた違法派遣会社」の被害報告もあります。
派遣社員の立場が弱いことに付け込まれる
ブラック派遣会社は、正社員に比べて不安定な雇用状況である派遣社員の弱みにつけ込み、派遣社員をまるで「モノ」のように扱うことがあります。
長時間のサービス残業や重労働などが続いたり、派遣先でパワハラを受けたりして悩んでいたりしていても、派遣元の会社に相談したり、改善をお願いしたりしにくいことは多いかもしれません。
また、そのような問題に気づいていても、
「どうせなにも言ってこないだろ」
「言ってきても適当に丸め込めば良い」
と労働者の弱い立場に付け込んで放置するブラック企業は後を絶ちません。
事前に雇用契約条件を確認しておくことが大切です。
しかし、ブラック派遣会社の場合、「はじめの話と実際が違う」ことも平気で行いますので、注意が必要です。
残業代など既定の給料が支払われない
派遣社員も「労働者の権利」は当然あります。
したがって、残業すれば残業代は当然もらえます。
しかし、ブラック派遣会社の中には、残業代など「法律で支払う必要がある」給料を支払わない企業があります。
また、退職を申し出ると「退職する社員に給与を支払う必要はない」として最後の給与をすぐには支払わない派遣会社も見られます。
会社が従業員に給料を支払わなかったり、支払いが遅れたりすることは労働者にとって大きな問題となります。
残業代請求や賃金未払いなどの労働問題を解決させたい場合は、会社との交渉を行ってくれる弁護士に相談して下さい。
求人情報と実際の労働条件が異なる
ブラック派遣会社の中には、人材不足などが原因で応募者を集めるために、実際の給料や仕事内容、待遇などの労働条件よりも意図的に誇張した求人内容を提示する「求人詐欺」を行う会社も存在します。
派遣社員の契約書には、労働契約の期間、業務内容、就業場所、就業時間、休憩時間、休日や休暇、賃金の決定方法・計算方法・支払方法、退職手当などの労働条件の詳細が記載されており、派遣社員に契約の範囲外の業務を行わせることは法律で禁止されています。
契約書に記載されていない業務や残業などは、派遣社員は応じる必要はありません。
なお、業務の都合上やむを得ず派遣社員の業務内容を見直す必要が出てきた場合は、派遣元・派遣先・派遣社員の三者間で契約の内容を見直し、全員が合意した場合には変更が可能です。
派遣社員で明示された労働条件と実際の労働条件が異なり、退職代行を利用して会社を辞めたい場合は、弁護士による退職代行に相談しましょう。
派遣元会社がサポートしれくれない・トラブルに対応してくれない
派遣元会社によって、サポート体制は全く異なります。
派遣元会社は派遣社員を守る責任がありますが、中には全く相談に乗ってくれずにサポートをしてくれない、派遣先でトラブルが起きても適切な対応をしてくれないなど、派遣社員へのサポートが不十分なことも少なくありません。
ブラック派遣会社の場合、営業担当が抱えている派遣社員の人数が多く、目先の数字にとらわれて派遣社員のサポートを後回しにして一人ひとりに丁寧な対応を行わないといったこともあります。
派遣社員が退職代行を使ったその後
他の派遣会社で登録は出来るのか?
退職代行サービスを利用して退職した後も「やはり派遣社員として働きたい」という方もおられると思います。
そのような場合、もちろん他の派遣会社と契約することも可能です。
「派遣会社同士で『誰が退職代行を使ったか』を情報交換していないか」「他の派遣会社から『退職代行をつかった人とは契約しない』と言われたりしないか」という相談をよく受けます。
しかし、派遣会社同士でそのような情報交換はできませんし、実際に退職代行を利用された方からそのような被害報告は受けていません。
そもそも「派遣業界」での「人の確保競争」は熾烈な状況で、派遣会社同士間のライバル意識も強烈ですので、実際にも派遣会社同士ではそのような情報交換はしないでしょう。
ブラック派遣会社とは早期に縁を切り、新たな派遣会社と契約することをお勧めします。
損害賠償請求はあるのか?
退職代行を利用して派遣会社を退職した後、損害賠償請求されないか不安になる方も多いのではないでしょうか。
労働基準法などの各種法令は「労働者保護」を重視していますから、退職した労働者に対して会社が損害賠償請求できるケースは限られています。
ただしそれは「適正な方法で退職した場合」に限られます。
「今日で退職します!」とだけ伝えてその後H会社からの連絡を無視したような場合、派遣元会社から損害賠償請求を受けることもあり得ます。
また、そもそも交渉なしに「本日退職!」はできません。
損害賠償請求を受けないためには「適切な代理人」「交渉」が必要です。
退職代行業者と違い、弁護士は「あなたの代理人」になれますし、「交渉」もできます。
派遣会社とのやりとりも交渉も弁護士にであれば一任することができます。
また会社から「損害賠償請求だ!」と言われても適切に対応できます。
弁護士に依頼することで、「雇用契約の種類に応じた適正な退職手続きを行う」「会社とのやりとりを適法に代理する」「損害賠償請求に適切に対応する」ことが可能となります。
未払いの賃金請求は可能か?
労働契約を締結している内容で労働者に賃金を支払うことは、雇用主である派遣会社の義務です。
法律の専門家である弁護士による退職代行を依頼することで、派遣会社に未払いの賃金請求をすることが可能です。
残業代の請求をはじめとした給料の未払い問題は自分で解決しようとせずに、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
会社からの連絡は来ないようにしてもらえる
退職代行の利用後、派遣元会社から直接連絡が来たりするのは避けたいものです。
退職代行を利用する際は、会社へ「直接労働者本人への連絡をしないように」と伝えてもらうことができます。
しかし、派遣会社によっては連絡しないように伝えたとしても連絡が来るケースもあります。
その場合は、無理に対応せず着信拒否などで無視をしても問題ありません。
トラブルになる可能性がある場合は、会社との交渉を行ってくれる弁護士による退職代行を利用することが大切です。
派遣社員の退職代行は「弁護士」に依頼することが大切
ブラック派遣会社に勤めており、派遣社員を退職したい場合、「弁護士」による退職代行を利用しましょう。
民間企業が運営する退職代行サービスの場合、退職に伴う交渉・請求やトラブル対応は行うことはできず、労働者本人の退職の意思を伝えることしかできません。
派遣社員で退職が難航しそうな状況にある場合は、非弁行為のリスクがなく、労働条件についての交渉・請求などが可能な労働問題に精通した弁護士に相談することが大切です。
派遣社員 退職代行の流れ
1ご相談
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