そんなとき、本人に代わって会社に退職の意思を伝達してくれるのが「退職代行」です。
SNSやインターネットなど多数のメディアで紹介され、近年注目を集めており、さまざまな事情から退職代行を利用する人が増えています。
退職したくてもできない状況に置かれている場合、退職代行を利用することでスムーズかつスピーディな退職が実現できます。今回は、退職代行とはどんなサービスなのか解説します。
退職代行とは?運営元によるサービスの違い
「退職代行」とは、何らかの理由で労働者が会社に退職を申し出ることができない、退職できない場合に、弁護士や労働組合、代行業者が労働者に代わって会社に退職の意思を伝えるサービスです。
あまり知られていませんが、退職代行は運営元によってそれぞれ対応可能な業務の範囲や費用相場が異なるため、特徴を知っておく必要があります。
まずは退職代行サービスの運営元である「弁護士」「労働組合」「民間企業」の3種類について詳しく見ていきましょう。
交渉権を持っているのは「弁護士」が運営する退職代行のみとなっているため、ご自身の状況に合わせて適切な退職代行を利用することが大切です。
退職代行の運営元「弁護士」
法律の専門家である「弁護士」が運営する退職代行は、依頼者の代理人として会社に退職の意思を伝え、さらに退職に伴う交渉・請求を行うことができます。
万が一会社に未払い給料や残業代・退職金の交渉が必要な場合も、退職と同時に会社に対して請求することが可能です。
未払い給与や退職金、有給消化の交渉など、退職に伴うトラブル交渉は弁護士にしか対応できない「法律事務」であり、弁護士資格を持たない退職代行業者が交渉や請求を行うと「非弁行為」となり違法になります。
退職代行に関する豊富な経験・実績を持ち、労働問題に精通した弁護士であれば、未然にトラブルを防ぎ、スムーズで円満な退職につなげることができます。
弁護士に退職代行を依頼するメリット
- 未払い給与や残業代、有給消化の交渉・請求が可能
- 非弁行為のリスクがなく、確実に退職できる
- 法律に基づいて退職代行を行うため、安心して任せられる
退職代行の運営元「労働組合」
「労働組合」とは、労働者が主体となって労働条件や職場環境を改善し、より働きがいのある職場にしていく団体です。
この労働組合が運営する退職代行は、使用者(企業側)との間で労働条件などを交渉する「団体交渉権」を持っているため、会社に対して交渉を行うことができます。
ただし、弁護士とは異なり、万が一損害賠償や起訴された際は対応することはできず、法律問題には強くないため注意が必要です。
また、退職代行費用のほかに労働組合の「入会費」が必要になるケースがあります。
なかには民間企業が作った形だけの組織も存在し、サービス内容が民間企業と変わらない場合もあるため、業者選びは慎重に行うことが大切です。
退職に関する交渉が必要な場合は、費用は上がっても弁護士に退職代行を依頼しましょう。
労働組合に退職代行を依頼するメリット
- 団体交渉権による交渉が可能
- 退職代行の費用を抑えられる
退職代行の運営元「民間企業」
民間企業が運営する退職代行は、退職代行の中で最も多いサービスです。
交渉権を持たないため、基本的にできることは「退職の意思を伝えるだけ」であり、それ以上に退職に伴う交渉を行うことはできません。
民間企業が運営する退職代行が会社と交渉などの法律事務を行うと「非弁行為」にあたり、違法となります。
会社に退職の意思を伝えるだけであれば問題ありませんが、退職に伴う条件交渉が必要な場合は弁護士に依頼することが大切です。
会社側とトラブルに発展してしまうことも少なくないため、しっかりとご自身の状況を見極めましょう。
民間企業に退職代行を依頼するメリット
- 退職の意思を伝えるだけであれば費用を抑えられる
- 退職に伴う交渉が必要なければスムーズに退職できる
退職代行を利用すれば即日退職が可能
退職代行を利用することで、「会社で嫌がらせやパワハラを受けている」「強引に引き止められている」といった場合でも、出社せずに即日退職することが可能です。
自身の健康を守るためにも、人間関係や環境、仕事内容に我慢せず、退職代行を利用して環境を変えることが大切です。
2週間分の有給休暇を消化すれば、出社せずに即日退職が可能
民法627条第1項により、労働者には「退職の自由」があり、雇用の期間に定めがない場合、解約の申し入れから2週間が経過すれば雇用契約が終了します。
2週間以上の未消化の有給休暇が残っていれば、有給休暇を消化することで2週間出社せずに退職日を迎え、実質的な「即日退職」が可能です。
有給休暇の消化について交渉が可能な弁護士に退職代行を依頼すれば、出社することなく退職日を迎えることができます。
また、病気や家族の介護など、やむを得ない事情がある場合は即日退職が可能です。
有給休暇がない場合は「欠勤扱い」にすることで即日退職可能
有給休暇がない状況であっても、退職代行を利用することで足りない日数を「欠勤扱い」になるように交渉してもらうことができるため、実質的な即日退職が可能です。
欠勤は有給休暇と異なり給与は発生しませんが、場合によっては会社側が欠勤として処理するよりも即日退職する方が良いと判断するケースも少なくありません。
即日退職を希望する場合は、交渉が可能な「弁護士」が運営する退職代行に依頼しましょう。
就業規則の規定は法的効力はない
会社によっては就業規則で「退職の意思は1ヶ月前までに申し出ること」「退職代行の利用を禁止する」などと規定されているケースもありますが、会社の就業規則の規定に法的効力はなく、法律の方が優先されます。
そのため、退職の意思を伝えて2週間が経過することで退職が可能です。退職の自由があることで、会社側は在職を強要したり退職を阻止することは法律的にできません。
最低限の引き継ぎはしておいた方が安心
法律上、労働者が退職する際に引き継ぎの義務や責任はありませんが、トラブルを未然に防ぐためにも最低限の引き継ぎは行っておいた方が良いでしょう。
会社に行って引き継ぎをする必要はなく、引き継ぎ書のデータなどを共有フォルダに保存、メモに残しておくなど前もって引き継ぎ書を準備しておくと安心です。
退職代行のメリットとは?
会社を辞めたくても自分で退職することが困難な場合に利用する「退職代行」は、近年若い世代を中心に利用者が増えています。
退職代行を利用することで、どのようなメリットがあるのでしょうか?
心身の負担が少なく退職できる
退職代行の最大のメリットは、出社して自分で退職を申し出る必要がなく、退職手続きも行ってもらえるため、心身の負担がかからないことです。
劣悪な労働環境、職場で我慢して働き続けても心身に大きなストレスがかかり、体調を崩してしまうだけです。
無理に余計なストレスを感じることなく、スムーズに退職するためにも、一人で悩まず退職代行を利用して職場を離れる選択肢をとることが大切です。
適切な依頼先を選ぶことで100%退職できる
民法第627条では、退職の意思表示から2週間経過すれば雇用契約が解消(退職)することができると定められています。
人手不足などの理由で勤務先から強く引き止められている、退職を拒否されたといった場合でも、ご自身の状況に合わせて適切な退職代行を利用することで100%退職することができます。
ただし、退職に伴う条件交渉が必要な場合は、「弁護士」に依頼する必要があります。
「退職を申し出たら会社とトラブルになる可能性がある」「未払い賃金や残業代の請求、有給消化の交渉が必要」という方は、労働問題に強く、適切な対応が可能な弁護士に相談することからはじめましょう。
退職に関する時間や手間を省ける
上司が退職を聞き入れてくれない、長時間労働などで心身ともに疲弊しているとき、自分で退職を申し出て退職手続きなどを行うのはストレスがかかり続けます。
しかし、退職代行を利用することで退職に関する時間や手間を省くことができ、転職活動の時間に充てることができます。
気持ちや時間に余裕ができることで冷静な判断もでき、退職までの時間を有意義に過ごせるのも退職代行のメリットと言えます。
また、退職代行サービスによっては退職後のアフターフォローを行ってくれるため、幅広いサポートを受けられる退職代行サービスを選びましょう。
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まとめ
今回は、退職代行とはどんなサービスなのか解説しました。
退職代行を利用することで、退職を言い出せない、会社を辞めたいのに辞められないといった状況でもスムーズに退職することができます。
退職の意思を伝えるだけでなく、退職に伴う交渉が必要な場合は、法律に則って適切な対応が可能な「弁護士による退職代行」を利用することをおすすめします。