「会社側から甘えと言われるのが怖くて、退職代行を利用できずにいる」と退職代行の悩みを抱えている方はいるのではないでしょうか?
労働者にとって必要なサービスでも、「周囲に理解されなければ利用しにくい」と感じる方も多いかもしれません。今回は、退職代行が甘えと言われる理由や退職代行サービスを利用すべき状況について解説していきたいと思います。
「退職代行が甘え」と言われる理由は?
退職代行は肯定的意見がある一方、否定的意見を持っている人もいます。
人によって考え方や状況が異なりますので、こうした意見を鵜呑みにする必要はありませんが、「退職代行が甘え」と言われる理由はどんなものがあるのでしょうか?
退職代行が甘えと言われる理由①社会人としてのマナー違反
退職代行は利用することでさまざまな手続きを代行してもらうサービスのため、本来自分で行うはずの手順を踏まずに会社を辞めることになるので、退職代行の利用を甘えとする風潮は一部ではあります。
突然会社を辞めることをマナー違反と感じる人もいますが、労働者には民法により退職の自由が保障されているため、退職代行を利用することがマナー違反ということにはなりません。
ただし、無断欠勤など社会人としての信用問題に関わる辞め方をしてしまうと、トラブルに発展して円満に退社できなくなるケースがあることを理解しておきましょう。
退職代行が甘えと言われる理由②自分で退職手続きを行うべきという固定概念
退職の旨をはじめ、業務に関わる「報連相」は上司に直接行うべきという固定概念を持っている人は少なくありません。
そのため、退職の意思を直接言えないほど追い込まれている労働者に対して、それが「甘え」だと捕らえられてしまうケースがあります。
特に40代、50代以上の方は当時退職代行サービスが存在していなかったため、昔ながらの価値観を持っている場合、嫌悪感を抱く人もいます。
退職代行が甘えと言われる理由③業務の引き継ぎができない
退職代行を利用しても何らかの形で引継ぎの必要はありますが、挨拶回りなどはせずに退職することになります。
データの保存先や業務の進捗状況、クライアントとのやりとりなど、自分自身しか分からない業務があるため、細かい引継ぎを完璧に終えてから辞めないと甘えだと考える会社も存在します。
しかし、引継ぎは労働者の義務ではなく、退職時における引継ぎの法律は存在しないため、退職代行を利用したからといって法的な責任は発生しません。
甘えではない!退職代行を利用するべきケース
退職代行が行うことは、労働者に代わって会社に退職の意思を伝えることです。
民法によって退職のルールが決められており、退職代行サービスを利用することに法的な問題はありません。
退職代行を利用するべきか悩む方も多いですが、状況によっては今すぐにでも利用した方がいいケースもあります。
退職代行を利用するべきケース①会社から引き止めにあっている
退職したいのに強引に引き止められているケースです。
何かと理由をつけて退職日の引き延ばしや、退職届を受理してもらえないなどの場合は、退職代行を利用しましょう。
退職代行を利用することで引き止めに合うことなくスムーズに退職できるため、引き止めの心配はありません。
退職代行を利用するべきケース②パワハラなどで精神的に追い詰められている
パワハラや長時間労働などで精神的にも体力的にも追い詰められている方は、状況が悪化してしまう前に退職代行を利用することをおすすめします。
退職代行に依頼することで、パワハラ加害者である上司や同僚などに一切会うことなく退職することができます。
退職代行を利用するべきケース③退職の意思を伝えても辞めさせてもらえない
人手不足やパワハラなど、会社がさまざまな理由をつけて辞めさせてもらえないという場合もあります。
労働者には、会社を退職する自由があります。
一般企業が行う退職代行とは異なり、「弁護士による退職代行」であれば、退職に伴う交渉が可能です。
退職代行を依頼するなら「弁護士」がおすすめ
退職の権利を主張するための退職代行は、全ての労働者に平等に与えられている立派な権利で、甘えではありません。
効率よく退職するためにもときには退職代行を利用して「頼る」ということも大切です。
民間の代行業者の場合、退職の意思を伝えることはできますが、会社との交渉は「非弁行為」にあたります。
一方、「弁護士」による退職代行であれば、法律問題に強いだけでなく、依頼者に代わって有給休暇消化や残業代の請求、未払い給与の請求などの交渉を行うことができます。
法律の専門家である弁護士に依頼することで、トラブルなく確実に退職することができます。